「イス ジャケ」作品の36枚目は、Marian McPartland の 85 Candles - Live In New York、2003年3月22日の録音です。(2度目のつまみ食いなので、録音日の翌日)
この小粋なイラストジャケ、私は気に入っています。このイラストを描いた Jeeun Lee という方の情報はネットで得られませんでしたが、主役のマリアンさんの演奏をよく知っている方なのでしょう。
「今日の1枚」では2006年4月27日に、そして「Summertime でつまみ食い」では2016年9月に本作を取り上げました。本作についての感想は、粗方そちらで書きました。今日はジャケの雰囲気を感じる演奏を、大勢のミュージシャンがマリアンの85歳を祝って集まったこのライブ盤から、感じ取りたいです。
昨日の1枚は、Mingus Dynasty の Chair In The Sky。
ミンガス・バンドが持っていたスリル感とドラマ性の魅力は、そのアレンジが重要な要素の一つでしたが、このミンガス・ダイナスティの演奏からもその魅力が発揮されています。1曲を除き、サイ・ジョンソンのアレンジです。
1970年台のミンガス・バンドでアレンジに関わっていたサイ・ジョンソン、そして演奏家たちによって、力強く聴きごたえある作品に仕上がっています。
今日の1枚は、Mingus Dynasty の Chair In The Sky、Elektra原盤、1979年7月の録音です。
今でも活動しているミンガス・ビッグ・バンドは、1988年に活動を始めているようです。その前身となったミンガス・ダイナスティはミンガスの死後すぐに結成され、その活動の発展形がミンガス・ビッグ・バンドとなり、ミンガス・ダイナスティは1995年まで活動していたようです。発表したアルバムは9枚ありますが、今日取り上げる作品がその最初のものです。「今日の1枚」ではその7枚目の作品を取り上げています(2017/11/8)。
ジミー・ネッパー(tb)にダニー・リッチモンド(d)、そしてドン・ピューレン(p)が参加しており、またベース奏者にはチャーリー・ヘイデンが加わっています。
今日の1枚は、John Coltrane の Bahia、Prestige原盤、1958年1月の録音です。
本アルバムも、ウイルバー・ハーデン入りの1958年7月11日のセッションと、ハバード入りの1958年12月26日のセッションから構成されています。
全八曲が演奏された前者からは「I'm A Dreamer Aren't We All」と「My Ideal」、全六曲の後者からは「Something I Dreamed Last Night」「Bahia」「Goldsboro Express」の三曲が収録されています。
本作品は、ソプラノ・サックスのコルトレーンの姿が誰もが知る存在となっていた、1965年5月に世に出ました。
(発売日はウィキペディアからの情報です)
昨日の1枚は、John Coltrane の Stardust。
A面頭の「Stardust」とB面最後の「Then I'll Be Tired Of You」、この二つのバラッド演奏が、この曲配置ですと輝く存在となります。またハーデンとハバードの色合いの違いも楽しめ、ガーランドの持ち味も最大限に発揮され、暖かい部屋でコーヒをすすりながら過ごす午後のひと時のような落ち着いた気分になります。そのコーヒーにはコーヒーフレッシュではなく、昔ながらの生クリームが軽く注がれており、より一層にコーヒー自体の味を引き立ている感じです。
恐らくはこの両セッションはコルトレーンの意向ではなく、プレスティッジが企画したものでしょう。そんな中にあってコルトレーンはメンバーに合わせながら自己主張もしっかりと行い、結果として聴き心地の良い作品となりました。
今日の1枚は、John Coltrane の Stardust、Prestige原盤、1958年1月の録音です。
この1963年9月頃に発売されたアルバムが好きだという方も、多くいるかと思います。ウイルバー・ハーデン参加の1958年7月11日から「Stardust」と「Love Thy Neighbor」、ハバード入りの同年12月26日から「Then I'll Be Tired Of You」、そのセッションからハバードが抜けて「Time After Time」、合計四曲が収録されている作品です。
バラッドのコルトレーンを楽しめる作品です。
(発売日はウィキペディアからの情報です)
昨日の1枚は、John Coltrane の The Believer。
このメンバーで、この時期のコルトレーンですから、質の落ちた演奏があろうはずがありません。しかし、アルバムの華になる演奏曲がないというのが、大方の意見でしょう。それでも、ハバードの演奏も楽しめる「Do I Love You Because You Are Beautiful ?」での憂感は聴き所、楽しめる作品です。
さてピンキーさんの「ソラ ジャケ」作品。
ジョー・マンデル集の本作を聴いていると、マンデルの曲には辛さと甘さが同居しているような、不思議な感じを覚えます。その意味では、ピンキーの歌とレヴィのピアノにも共通点を感じます。ジャケの光景が似合う場面と不似合いな場面の連続を感じながら、本作を楽しみました。
1978年の映画「アガサ 愛の失踪事件」という映画で使われたという「Close Enough For Love」での歌とピアノには、そんな不思議さを感じながら聴き入りました。
最後に余談ですが、この曲に続いては歌抜きで「Theme From The M*A*S*H」が披露されています。朝鮮戦争下での米軍移動病院に配属された軍医たちのブラック・コメディ映画で、私には印象深い映画でした。この映画で、こんな洒落た曲が使われていたのかと思いながら、ドナルド・サザーランドの演技を再び見たくなりました。
「ソラ ジャケ」作品の15枚目は、Pinky Winters の The Shadow Of Your Smile、1983年2月27日の録音です。
ペナン、香港、そして横浜と、私は19年間に渡り海のすぐそばに住んでいいますが、砂浜のそばに住んだことはありません。このジャケのような光景が身近にある暮らし、一度は味わいたいものです。
茜さす日の昏れ行けば術をなみ千重に嘆きて恋ひつつぞをる
このジャケ写のような光景を茜と呼ぶとソラ資料に解説があり、万葉集の一首が紹介されています。ネットで意味を調べたところ、「日が暮れて行く頃は、どうしようもなくて、何度もため息をついて、あなたのことを恋しく思っているのです」との意味であり、また「昏れ」ではなく「暮れ」と書くとのことです。
このピンキー・ウィンターズさんの作品は「今日の1枚」では、2006年7月24日に取り上げました。私は、50歳をすぎたピンキーさんの円熟味に感想を述べておりました。今回のつまみ食いでは、ジャケの雰囲気と、そして作者不明の短歌にある恋心を感じさせるものを、探したいと思います。
さてゴンザルベスさんの「ソラ ジャケ」作品。
「Body And Soul」「What Is There To Say」「It's The Talk Of The Town」と続くメドレーにおけるゴンザルベスさんのゆったり感には、あっぱれであります。バック陣の辛めの演奏、ゴンザルベスさんの我の世界をいく落ち着き、これが絶妙に合わさっています。
他にも聴き所はあり、ジャケのハチドリの勇姿とともに、心に残るつまみ食いでした。