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12度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月18日(水)07時02分43秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「イス ジャケ」です。


「イス ジャケ」作品の48枚目は、Patricia Barber の nightclub、2000年5月15日の録音です。
2000年に入ったあたりから好きで聴いていたパトリシアさん、「今日の1枚」で5枚取り上げたパトリシアさんですが、彼女の作品に接するのはご無沙汰になっておりました。カフェでブランディーらしきものと共に、革イスに足を立てながら座っている本作品のジャケを目にした瞬間に、本作を聴きたくなりました。
2001年8月19日に本作を「今日の1枚」で紹介しましたが、その際には彼女の歌と演奏をシャンパン・カクテルに例えて褒めておりました。今回は私に本作がどう響くのか、シラフで聴いてみます。
 

14度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月17日(火)07時27分28秒
  さてトミーさんとカークさんの「イス ジャケ」作品。
凝ったアレンジを施すトミーさん、その意図を汲み取っての熱演のカークさん、本当に良い内容です。ゆったりと切なさを表現している「Serenity」、激しさの中の切なさに聴き入る「Chalan Pago」、ここでのトミーさんのコルネットとカークさんのフルートの熱演が、実に素敵でした。
トミーさんはこの活動を続けていれば、数年後には注目を浴びたのでは思いながら、今回のつまみ食いを終えました。
 

11度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月16日(月)07時16分39秒
  その前に、この作品が録音された1966年10月11日(火)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
日経「財政運営を警戒型に、大蔵省、公共事業推進本部解散へ、刺激の役割終わる、支出段階的繰り延べも」
この大蔵省の判断は実に賢明なものだったと思います。しかし票田を背負っている国会議員の生き残り策なのか、公共事業の甘い誘惑は続くことになります。

読売「高校教育を多様化、有田構想 きょう諮問、理科系進学科おく、職業科さらに専門化」


朝日「高校職業教育を拡充、すぐ役立つ学科を、多様化の手始め、電子工学や理容、来春開設を目指す」

文部大臣の有田喜一氏のこの構想、現在では何も記述がネット上に見られません。現在では普通科の高校生の人数は73%とのことですが、この有田構想が実現に動いていればどうなっていたのかと、考えてしまいました。




ではこの10月11日の日経新聞から少しばかり紹介します。
・4面に「月賦価格引き上げ、集金費増加を理由に、家電業界」との見出し記事があります。アメリカで消費拡大を牽引していた割賦販売が日本に本格的になったのは、1923年の大震災後の再建によるものでした。戦後にすぐにこの販売方法が復活し、高度経済成長期に広がりましたが、その中で問題点も多くなり、法規制が強化され、1970年代を過ぎてからは下火になりました。
家電やミシンの販売が主でしたが、百貨店でもこの割賦販売を特徴とするのが現れ、丸井・緑屋・大丸がその代表格でした。
・6面に日本オリベッティの全面広告があり、企業ブランドを売り込みしており、印象的なデザインのページになっています。1961年にイタリアのオリベッティ社の22番目の同系会社として日本オリベッティが設立され、その後にNTTデータに吸収されたようです。
・TV欄 東京12チャンネルでは、放送開始の10:00から18:30まで「工業高校講座」を放送しています。この局は財団法人日本科学技術振興財団によって1964年に設立され、この財団の母体となる科学技術学園工業高等学校(今の科学技術学園高等学校)の授業をメインとして行う教育番組専門局でした。しかし慢性的な赤字のため、この1966年4月から他の番組も放送するようになりました。その後にいくつもの経緯があり、1981年にテレビ東京になりました。
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月15日(日)07時30分1秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「イス ジャケ」です。


「イス ジャケ」作品の47枚目は、The Jazz Corps featuring Roland Kirk、1966年10月11日の録音です。
この作品もつまみ食いするのに躊躇しました。「今日の1枚」を六年ぶりに再開してから掲載した作品だからなのですが、パイプ椅子にどっしりと腰を下ろすトミー・ペルティエとローランド・カークの姿を目にしたら、どうしてもつまみ食いしたくなりました。
本作品を2015年9月3日に「今日の1枚」で取り上げた際には、随分と気に入ったとの感想を書きながらも、カークの参加なしでも良かったのではとのようなことも書いておりました。今回のつまみ食いでは、二人の熱演のぶつかり合いの瞬間を、パイプ椅子にどっしりと座り込むほどの熱演の瞬間を感じ取りたいと思います。
 

13度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月14日(土)07時20分52秒
  さてアルヴァニタスさんの「イス ジャケ」作品。
アルヴァニタスさんが退役後の1954年にパリに出てくるまでの情報は、今のWikipediaにも詳しくは掲載されておりません。私が確認できるものでは、1998年発行の「ヨーロッパのジャズ・ディスク1800」にある情報だけです。それによると1931年にマルセイユで彼は生まれ、少年時代からジャズに親しみバップも覚えていき、ドン・バイアスやジェイムズ・ムーディとの共演も経験し、兵役でヴェルサイユに駐在していた際にもジャズクラブで演奏をしていたそうです。
その後の活動は各資料にあり、パリのクラブでの演奏を行い、また米国からパリに来たジャズマンたちとも共演を重ねていき、本作品となったようです。
本作に至るまでアルヴァニタスさんには結構な苦労があったと思いますが、多くの貴重な経験をすたことでしょう。そこでの自分ならこんな作品を残すとの思いが重なっていき、ここに成熟したのでしょう。またダグ・ワトキンスとアート・テイラーという大物が力を入れた演奏をしており、これはアルヴァニタスさんの日頃のお人柄の良さからのことなのかと思いました。
ベースとドラムの静かな息遣いが冴える「What's New」、その後半ではアルヴァニタスさんのピアノが光り始め、このスローなスタンダードを豊かな色合いにしていき、ジャケに映る彼の意気込みを感じました。
 

10度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月13日(金)07時18分31秒
  その前に、この作品が録音された1958年9月11日(木)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
日経「最低限度を設ける、全銀協、標準金利方式を検討、公取の意向打診」
ここでの標準金利方式については、ネットから情報を得られませんでした。

読売「日米安保条約、改定取りつけに期待、具体的な交渉は日米委で」

朝日「神奈川など四県中止、15日勤評闘争 各県の動き、授業放棄、東京ほか廿二県、十日現在」
日教組の授業放棄と総評の登校拒否戦術による闘争です。各県で足並みは乱れたものの、15日に行われました。

金融制度の拡充、日米同盟の方向性、そして公務員の労働問題、戦後から抜け出していく中での、三紙三様のトップ記事でした。




ではこの9月11日の新聞から少しばかり紹介します。
・1面に「岡印刷部長、欧米視察へ」との、小さな見出しがあります。自社の一従業員の海外出張を一面に掲載する、全く理解できないものです。
・1面に芝浦製糖の広告があります。扱い品として「精製糖、ビール糖」とあり、また「社長 花田菊造」とまで書いてあります。湘南糖化工業、湘南糖化工業、そしてこの芝浦製糖が1970年に合併し、三井製糖になりました。
・TV欄 NHK 13:00から「世界と日本」との番組があり、この日は「オートメーション」がテーマでした。この放送に興味がありますが、それよりも平日の昼間に誰が見ていたのかに関心があります。
 

7度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月12日(木)06時59分50秒
  「イス ジャケ」作品の46枚目は、Georges Arvanitas の 3.a.m. 、1958年9月11日の録音とします。(ジャケ記載データの翌日)
2019年の10月にこの作品を「マイク・ジャケ」でつまみ食いしたので、「イス・ジャケ」で取り上げるのは躊躇しました。しかしながら、このジャケに映るピアノ椅子、これだけ高くセッティングしているのは、なかなかお目にかかれません。この「イス・ジャケでつまみ食い」企画で、ピアノ椅子を取り上げるのはこれで9枚目となりますが、このアルヴァニタスさんの初リーダー作品でのピアノ椅子の高さ具合は飛び抜けています。
1999年10月16日に「今日の1枚」で取り上げた際にも、昨年10月につまみ食いした際にも、このピアノ・トリオ作品を絶賛しました。それはそうでしょう、欧州ジャズ界の名ピアニストのアルヴァニタスさんがダグ・ワトキンスとアート・テイラー組んだ演奏なのですからね。
ということで今回の「イス ジャケ」でつまみ食いでは、何に焦点を当てて聴こうかと考えましたが、高くセッティングした椅子に似合う、気合を入れた瞬間を感じ取れればと、思っています。
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月11日(水)06時45分59秒
  昨日の1枚は、SATLAH の SATLAH。
イスラム教とユダヤ教は違いますが、私はその違いを明確に述べられません。これにキリスト教を入れて三つの宗教は対立し、敵対してきました。
私はイスラム教が国の宗教であるマレーシアに、合わせて七年ほど住んでいました。朝のシャワーの時間にはアザーンが聞こえる環境にいました。また宗教に音楽はつきものであり、私はその音楽に親しみを感じていました。
このSATLAHの音楽を聴くと、そしてイスラエル出身ジャズマンの中でも「伝統的なジューイッシュ音楽、クレズマー、ハシディック」色を最も前面に出すザミールの演奏を聴くと、マレーシア駐在時代を思い出してしまいます。イスラム教とユダヤ教は違いますが、でもそう感じるところが私にはありました。
さて本作品ですが、そんな自分の中にある親しみが実に強く出ている作品です。ザミールがベースとドラムでのトリオで臨んだ演奏、そしてそこにジョン・ゾーンが加わって演奏、11の曲の中で輝いています。
 

10度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月10日(火)07時03分21秒
  今日の1枚は、SATLAH の SATLAH、TZADIK原盤、1999年の録音です。
ダニエル・ザミールがリーダーを務めるSATLAHというバンドの、最初の作品です。Shanir Ezra Blumenkranz(b), Kevin Zubek(d)がメンバーの三人組で、このレーベルの主宰者であるジョン・ゾーン(as)がゲスト参加しています。なおザミールは Danny Zamir とクレジットされています。
このバンドで今までに計3作品を発表しており、「今日の1枚」で Daniel Zamir & Satlah として取り上げた「Children Of Israel」(2018年10月5日掲載)が、三作目になるようです。
この「SATLAH」について、ブックレットにザミールの説明があります。
どの言語にもない「SATLAH」という言葉ですが、イスラエルでスラングとして「歓喜、リラックス、美」などの意味で使われています。音楽を想像していく上で、重要なものと言えます。この最初のアルバムにある11曲は、そんな「SATLAH」の魅力が詰まったものです。
アルトとソプラノを吹くザミール、近頃はソプラノ・サックスに集中しているザミールですが、この1999年の演奏ではアルト・サックスだけの演奏となっています。





昨日の1枚は、Eli Degibri の In The Beginning。
エリさんのサックスは多様な姿を見せますが、常にそこには優しさ、哀しさを知っている人が表現できる優しさが、彼の演奏のベースにあります。タイトル曲と、「With You」から「With You
- Epilogue」へと続く展開に、そんな辺りを強く感じました。
ベースとのデュオで「All The Things You Are」を決めるなど、エリさんとしてはこの2003年の時点で表現したいことを、全てこの作品にぶち込んだのでしょう。それにはパワーがいるものだったので、製作サイドがこしらえたジャケットまでは気が回らなかったのでしょう。
フレッシュサウンドからの発売なので、2003年のジャズの新譜を扱うお店では、この作品が店頭に並んでいたはず。この素敵な内容の作品を買った方の、眼力と度胸に敬服しました。
 

12度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 9日(月)07時01分55秒
  今日の1枚は、Eli Degibri の In The Beginning、Fresh Sound原盤、2003年1月の録音です。
テナー・サックス奏者のエリ・デジブリに関しては、2005年録音作品「Emotionally Available」を「今日の1枚」で2008年11月17日に掲載しましたが、その際に私は彼をイスラエル出身ジャズマンとは知らずに、と言いますかイスラエル・ジャズという知識が全くない状態でした。そして彼についての情報を得たくても難しい状態でしたが、今ではWikipediaに彼のページがありますので、少し紹介します。
1978年にイスラエルのヤッファ(テルアビブのすぐ南)で生まれた彼は、7歳でマンドリンの演奏を始め、10歳の時にサックスに転向しました。18歳の1997年に奨学金を受けてバークリー音楽大学に入り、1999年にはハンコックのバンドに加わりプロ活動を始めました。今日取り上げる作品は、彼の初リーダー作になります。
今年の6月にディスクユニオン関内店の「E」コーナーでエリさんの作品を物色しましたら、本作品しかありませんでした。「買えるものなら買ってみろ」、そんなジャケです。これを紹介して頂いたSNSでの知人も、「私的には駄目ジャケ選手権ベスト3です」とコメントしておりました。この言葉、ディスクユニオンで手にした際に理解できました。彼の他の作品は彼の人間性が出ている良いポートレートを使っていますが、この第一作だけは「寄るんじゃねぇ」との嫌なものです。でもこの作品しかない、よって購入となりました。
Aaron Goldberg (p), Kurt Rosenwinkel (g), Jeff Ballard (d), そしてBen Street (b)との演奏です。




昨日の1枚は、Third World Love Songs。
ウィキペディアによれば、第三世界との分類の仕方には、二つの考えがあるそうです。東西冷戦時代の考えがその一つで、東西どちらにも属さない国(主に発展途上国)と米ソに対して中立的なユーゴスラビアが、第三世界と分類されました。この考えですと、イスラエルは資本主義陣営として第一世界に属するとのことです。
二つ目の分類の考えは毛沢東が提唱したもので、第一世界は超大国である米ソ、第二世界は超大国以外の先進国、それ以外の国々は第三世界となるとのことです。この分類ですと、イスラエルをどこに分類するかは微妙なことになります。
さて本題に入りますが、このアルバム名が六曲全てを表しているとすると、第三世界からの随分と辛口のメッセージとなります。切なさと嘆き、希望を持ちたち人々の気持ちが、曲と演奏に現れています。四人の好演がこのメッセージを形成しているのですが、敢えて挙げるならばトランペットのアヴィシャイ・コーエンの語り口の強さと濃さの個性が、本作品の良さを決めているなと、私は感じました。
タイトル曲は、オマー・アヴィタルによるものです。圧巻の演奏です。一度は挫け倒れた青年が起き上がり、再び挑戦することを誓うような場面を思い出します。朝焼けでも夕焼けでも似合う内容です。アヴィシャイの泣きのトランペット、ベースとドラムの切れ味の良さ、ピアノの心を打つ演奏、どれにも感心しながら、私はこの演奏に惚れてしまいました。
 

15度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 8日(日)06時55分55秒
  今日の1枚は、Third World Love Songs、Fresh Sound原盤、2002年7月の録音です。
あのレゲエのグループとイスラエル・ジャズマンのコラボ!、などとの勘違いはすぐに消え去りましたが、SNSでこの Third World Love というグループを紹介して頂いたときには、そう思ったものでした。
オマー・アヴィタルとトランペットのアヴィシャイ・コーエン、ドラムにダニエル・フリードマン、そしてピアノのヨナタン・アヴィシャイによるこのグループは、本作録音時の2002年に結成され単発ツアーで終わるはずでしたが、その後も活動を続けております。
本作のジャケは朝焼けor夕焼けの写真で、裏ジャケなどには和かな四人の姿が写っています。



昨日の1枚は、OAM trio + Mark Turner の Now & Here。
オマーの芯が太いベースに堅実なミラルタのドラム、これを軸にフワフワしながらも要所で光るフレーズを注ぎ込むターナーのサックス、そして軽やかに雰囲気をうまく演出するピアノ、こんな思いで聴きますと、光る部分が多い作品でした。
私はアーロンのピアノに高い期待をしていた時期があり、私の好む演奏とのズレを感じて「今日の1枚」で厳しいコメントをすることがありました。もっと気軽な気持ちで彼のピアノを聴いていれば、20年前に取り上げた作品でのコメントも違うものになっていたことでしょう。
オマー作の「Faith」、そしてミラルタ作のタイトル曲で曲作りのうまさに感心し、あくまで4分の1の存在の中で自分のカラーを出していく4人のまとまりに聴き入りました。
 

13度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 7日(土)07時32分47秒
  今日の1枚は、OAM trio + Mark Turner の Now & Here、Contra Baix原盤、2003年5月の録音です。
お店でCDの背中を見ながら物色することを私の目が嫌がっていると感じながらのディスクユニオン関内店、アルファベットのOのコーナーで本作を見つけました。Omer AvitalのCDを物色中のことでしたが、目の嫌がりとは逆に私の脳は「OAM」に強く反応しました。 OAM trio の Trilingual を2000年暮れの新宿で購入し、2001年6月3日に「今日の1枚」で取り上げていたのでした。Omer Avital(b), Aaron Goldberg(p), Marc Miralta(d) の三人組の作品なのですが、私はピアノ奏者目当てで購入しました。「今日の1枚」での感想は、「強烈なベースが印象的であるが、全体的に散漫な内容」とのものでした。
この三人組は2002年に二枚目を発表し、テナーのマーク・タナーを加えて2003年にライブ盤を発表し、好評を得ていました。そこで今度はタナー入りでスタジオで、となったのが本作品です。そしてOAMとの出会いから20年経った私が、イスラエル出身ジャズマンをテーマにしての物色で、本作品に出会ったのでした。



昨日の1枚は、The Omer Avital Group の Asking No Permission。
ジャケの写真、浜辺でオシッコをしている坊や、寝転びながらそれを笑って見ているお父さんらしき男性、どちらがオマーさんなのでしょうか。写真の古さ加減からすれば坊やなのでしょう。「勝手にするからね」とのタイトルは、この状況から得たものでしょうし、その気持ちをプロ・ミュージシャンになっても持ち続けたいとの願いも込められているのでしょう。
裏ジャケには痩せて髪が短く、眼光鋭い精悍な表情のオマーさんの写真があります。恐らくはこのライブの際の25歳の時のお姿なのでしょう。
さて演奏内容ですが、ホーン4本のアレンジがお見事で、また4本の泳がせ方も楽しく聴けるものです。そこにオマーさんの力強いベースのうねりが加わり、聴きごたえあるライブであったことが分かるものです。面ジャケの坊やの自由気ままな心と、青年になった裏ジャケにある真摯さが、演奏の中に交差して垣間見ることができます。
「ケンタッキー・ガール」という曲が15分近い演奏なのですが、オマーさんの人間の悩みを表現するかのベース、それを包み込む自然の雄大さのような四管の演奏、この曲を聴いているとオマーさんの存在感の強さを感じます。
 

11度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 6日(金)07時05分37秒
  今日の1枚は、The Omer Avital Group の Asking No Permission、Smalls原盤、1996年4月の録音です。
イスラエル出身のベース奏者 Omer Avital、カタカナ表記ではオマー・アヴィタルの作品です。この方はミンガスに例えられることが多いようで、現在のジャズ・シーンの中での重要人物です。先に取り上げたベースのアヴィシャイ・コーエンも高い評価のベース奏者ですので、私はこの二人をよく混同してしまいます。
ではWikipediaからオマー・アヴィタルに関する情報を紹介します。
1971年にテルアビブの左に位置するジバタイムで生まれた彼は、11歳の時からクラシック・ギターを学び、イスラエルを代表する芸術高校に入るとベースに転向し、ジャズと編曲を学びました。17歳の時からプロ活動を始め、イスラエル陸軍のオーケストラに1年所属した後の1992年にNYに移りました。
NYですぐに注目され、1995年と1996年にはサックス4本とドラム、それに彼のベースというグループでスモールズで演奏を行なっていました。今日取り上げる作品はそんな時のもので、Mark Turner(ts), Gregory Tardy(ts, fl), Myron Walden(as), Charles Owens(ts), そしてAli Jackson(d)との演奏です。
発売さたのは2006年とのことなので、彼の初リーダー作品とは言えないようです。




昨日の1枚は、Avishai Cohen の Adama。
初リーダー作にかけるアヴィシャイの意気込みを感じる、聴き所満載の作品になっています。12曲中11曲が彼のオリジナルで、メロディ・メーカーとしての彼に惚れます。各曲でメンバーの選抜に工夫を凝らし、そこにアレンジの妙を加えています。そして彼のベース奏者としての実力の高さ、これらが揃っていますから、素敵な作品になるのは当然のことでしょう。
3曲目に「Bass Suite #1」、9曲目に「Bass Suite #1」が収録されています。このアルバムの中では箸休めのような存在なのですが、ここにアヴィシャイさんの実力、先に述べたことを感じました。自分のベースにホーンを二つ、「Bass Suite #1」ではそこにパーカッションを加えての演奏です。似たようなメロディですが違うもの、これにホーン2本をセンス良く絡め、自分のベース演奏を軸に演奏しています。ベースを中心に聴くのもよし、ホーンの流れでメロディの切なさを感じていくのも良し、そんな感じでした。
更にはこの二曲の前に収録している「Madrid」と「Adama」、ここでのジューイッシュ音楽(或いはクレズマー、もしくはハシディック)の色香具合に酔ってしまいました。
他にもメルドーとの「Besame Mucho」、チックのローズが鳴る「Gadu」など、聴く時々で感心が移っていく内容です。
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 5日(木)07時16分5秒
  今日の1枚は、Avishai Cohen の Adama、Stretch原盤、1997年の録音です。
ベース奏者のアヴィシャイ・コーエンの作品です。コーエン三兄妹のトランペット奏者とは、同姓同名です。これでどちらかが有名でなければ別なのですが、このお二人は著名なジャズマンなのです。イスラエル出身というよりも、ここ暫くのNYのジャズ界を代表するベース奏者とトランペット奏者なのです。
SNSの知人がイスラエルのジャズを紹介してくれた際には、この二人を混同しないように気を使ってくれてましたが、それでも私は混乱していました。そしてディスクユニオンのサイトを読んでみても、2015年の時点でも、イスラエルのジャズを追っかけてきた方の中にも、この二人への混乱があったようです。
ベース奏者のアヴィシャイ・コーエンについて、Wikipediaから引用して紹介します。
1970年にイスラエルの北部、レバノンに近いところにあるKabriで生まれた彼は、すぐにエルサレム近くに移り、音楽一家の中で育ちました。6歳あたりで西部のShoevaに移り、9歳の時にピアノを弾き始め、14歳の時にジャコ・パストリアスに触発されベースを演奏し始めました。
1993年頃までにはNYに移ったようで、チック・コリアのもとで活動をし、初めて発表したリーダー作品が本作品になります。その後は継続的にリーダー作を発表し、今に至るまで17作品を発表しています。
本作品にはSteve Wilson(ss), Steve Davis(tb), Jeff Ballard(d), Jason Lindner(p), Amos Hoffman(g)というメンバーに加え、Chick Corea(p), Brad Mehldau(p), Danilo Pérez(p), Jorge Rossy(d), Don Alias(conga), Claudia Acuña(vo)がゲストで加わっています。



昨日の1枚は、John Coltrane & Don Cherry の The Avant-Garde。
オーネットのバンドの枠組みを借りて二日間のセッションを行い、結果として「何か」を起せなかったのですから、酷評にも理解できる部分はあります。
自分はコルトレーンの作品は二十枚ほど手元にあればいい、という方にはこの作品は不要なものです。しかし、自分はコルトレーンの軌跡を示す作品を手元に置いておきたい、という方には本作は必須の作品と言えるのでしょう。
この録音から翌年にコルトレーンはインパルス!に移籍し、「アフリカ/ブラス」のセッションを行い、そしてヴィレッジ・ヴァンガードに臨んでいきます。そこへ至る中に、本作の意義があると、私は思っています。
さていくつかの書籍やネットでの情報をみますと、本作はアトランティックが、ドン・チェリーのリーダー作としてセッションを設けたが内容がイマイチでお蔵入り、しかしコルトレーンの人気の衰えぬ高まりに接して1966年に発売した、とのものがあります。情報源が記載されていないのでことの真意は不明ですが、一応ここに記しておきます。
 

11度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 4日(水)06時33分29秒
  今日の1枚は、John Coltrane & Don Cherry の The Avant-Garde、Atlantic原盤、1960年6月の録音です。
「けっして成功作とは言いがたいアルバム」(資料03)と、本作品には厳しいコメントが付き纏います。「(このセッションの)特筆すべき点は、後年、(コルトレーンの)もう一つの顔となったソプラノ・サックスの初使用ということのみだ」(資料09)といった具合です。
さてコルトレーンのアトランティックでの2年間のセッションを簡単に振り返れば、次の通りです。
1959年1月、アトランティックへの挨拶代わりにミルト・ジャクソンとのセッションで、「Bags & Trane」。
1959年3月から5月を主にした練りに練ったセッションで「Giant Steps」。
1959年暮れに新しいバンドを探している途中のセッションで「Coltrane Jazz」。
1960年6月から7月の二日間で本作品のセッション。
1960年10月の三日間で第四期カルテットで「 My Favorite Things」「Coltrane Plays The Blues」「Coltrane's Sound」の三作品。
「すでに心はインパルス!」の中の1961年5月に「Ole Coltrane」。
つまり本作品のセッションは、新天地アトランティックでコルトレーンのその時点での理想形の作品(Giant Steps)を作り上げた後に、次は自分の理想のバンド作りとコルトレーンは目標を移し、その模索の過程の一つと言えるのです。
コルトレーンと同様にアトランティックの顔となったオーネット・コールマンが作り上げたバンドを借りて、コルトレーンが理想とするバンドとはを追求しようとしたと、本セッションは言えると思います。
Don Cherry(tp), Charlie Haden(b), Percy Heath(b), そしてEd Blackwell(d)との演奏の本作品は、アトランティックのコルトレーン八作品の最後として、規格番号1451で1966年4月に発売されました。



昨日の1枚は、John Coltrane の Coltrane's Sound。
曲の持つ雰囲気からは随分とアグレッシブなアレンジのスタンダード二曲に続く、コルトレーン作の曲の演奏が素敵に響いています。A面が「Central Park West」、B面が「Equinox」、これはまさにアルバム構成の成功と言えるのでしょう。しかし首を傾げるのは、それに続く三曲目が、全体の流れにあっていません。ここの曲が云々ということではなく、あくまで構成なのですが、本当に残念な点です。しかしアルバムとしては、なかなかなものでしょう。
このアルバムを不幸な存在にしているのは、発売時期です。1964年と言えば、インパルス!から「クレッセント」と「ライブ・アット・バードランド」が発売された年です。そこに1960年録音の本作品となると、埋もれてしまうのは致し方ないことです。
1960年10月下旬の三日間のセッションから生まれた三作品、「マイ・フェイヴァリット・シングス」と「コルトレーン・プレイズ・ザ・ブルース」、そして本作品を、「コルトレーン・カルテットのアトランティック三部作」と呼ぶ向きがあるようです。もっとアルバム構成をに熟慮していれば、そんな呼び方も似合うのかなというのが、私の感想です。
 

14度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 3日(火)07時43分16秒
  今日の1枚は、John Coltrane の Coltrane's Sound、Atlantic原盤、1960年10月の録音です。
コルトレーンのアトランティック第七弾の本作品は、規格番号1419として1964年6月に発売されました。
1960年10月21日と24日、そして26日の三日間に、コルトレーンは新しいメンバーでのカルテット(第四期)でレコーディングを行い、計二十一曲を収録しました。その中から「マイ・フェイヴァリット・シングス」と「コルトレーン・プレイズ・ザ・ブルース」が、すでに発売されてました。レコーディングから四年経ち、残りから六曲が選ばれ、本作の発売となりました。マッコイ・タイナー、スティーヴ・デイヴィス、そしてエルヴィン・ジョーンズとの演奏の本作品の特徴は、その選曲面にあります。A面とB面の最初にスタンダードを配し、続く2曲がコルトレーンのオリジナルとの内容です。そのスタンダードですが、A面には「The Night Has A Thousand Eyes」、邦題が「夜は千の眼を持つ」、通称「ヨルセン」が収録されています。B面には「Body And Soul」です。この先品は一般的には「ヨルセン」が人気となっており、アルバム名も日本では「夜は千の眼を持つ」としていた時期があります。



昨日の1枚は、John Coltrane の Coltrane Plays The Blues。
曲名には工夫したアルバムです。A面の三つは曲名にBluesが付くもの、B面はMr.が付く三曲を配しています。しかしアルバムに配置されている曲の内容には、感心できるところがありません。アルバムの華となるものがない、そこがこの作品がコルトレーンの諸作に中で、目立たない決定的な理由です。
新しいカルテットの中で、マッコイのピアノとコルトレーンの演奏の繋がりが良くなっていく展開、そしてこのカルテットの中でエルヴィンの立ち位置を模索している模様があり、個々の曲にはそれなりの聴き所があります。
映画の中には、重要なシーンではないが、見終わってから考えれば必要な場面だったというのがあります。このセッションはコルトレーンの全体像を考えたときに、必要なセッションだったと言えるのでしょう。ただアルバムとして、作品として世に出すには、一工夫が必要だったと言えるのでしょう。
 

13度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 2日(月)06時57分49秒
  今日の1枚は、John Coltrane の Coltrane Plays The Blues、Atlantic原盤、1960年10月の録音です。
コルトレーンのアトランティック第六弾として、1962年7月に規格番号1382として発売された本作品は、1962年10月24日に吹き込まれたものです。
弊サイトの「今日のコルトレーン 」では、1960年10月下旬のアトランティックのセッションから始まる、マッコイ・タイナー、スティーヴ・デイヴィス、そしてエルヴィン・ジョーンズとのカルテットを、第四期コルトレーン・カルテット(黄金へ一歩手前)と(勝手に)呼んでいます。
このカルテットで、21日、次に24日に午後と夜の2回、そして26日にわたり計21曲が演奏されました。このアルバムには、24日の演奏から計六曲が収録されています。
この三日間のセッションでは、このカルテットでの演奏を手探りしているもの、試しているものが含まれています。この作品にはそんな演奏が収録されており、このメンバーでのお手合わせの感が歪めないのですが、それぞれの演奏に聴くべき点もあるのも事実です。各曲については、「今日のコルトレーン 」をご参照を頂ければ幸いです。



昨日の1枚は、John Coltrane の Ole Coltrane。
本作の後に、半年後ほどからコルトレーンのインパルス!での活動が始まっていけば、この作品の重要性が出てくるのでしょう。しかしコルトレーンの諸策の中で埋もれた作品となってしまっており、非常に残念なことです。
各曲については「今日のコルトレーン 」をご参照いただくとして、聴き所があるものです。その中でも最後の「Aisha」は素晴らしく、コルトレーンの活動全体の中でこの曲が語られることが稀なことは、繰り返しになりますが残念であります。
 

10度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月 1日(日)06時57分41秒
  今日の1枚は、John Coltrane の Ole Coltrane、Atlantic原盤、1961年5月の録音です。
アトランティックへのコルトレーンの最後の録音は、規格番号1373として1962年2月に発売されました。アトランティックとの契約は1961年3月までと思われますが、契約遂行のための最後のセッションは5月25日に行われました。「今日のコルトレーン 」で私は、本セッションは事実上のインパルス!のセッションだ、少なくともアトランティックとは思えない、と書きました。その理由は三つあります。
最初に本セッションは、コルトレーンのインパルス!初セッションである「アフリカ/ブラス」の二日間の間に行われたセッションであること、そして二つ目は本セッション参加メンバーは「アフリカ/ブラス」のメンバーを縮小編成していることです。さらに録音場所ですが、これはさすがに「アフリカ/ブラス」と同じスタジオではありませんが、それまでの使ってきたアトランティックのスタジオでもありませんでした。
Freddie Hubbard(tp), Eric Dolphy(George Lane) (fl,  as ), McCoy Tyner(p), Art Davis(b), Reggie Workman(b), そしてElvin Jones(d)での本作品は、「アフリカ/ブラス」発売の5ヶ月後に世に出ました。
 

11度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月31日(土)07時24分9秒
  19610525-13
Aisha (McCoy Tyner)
(7分38秒)



【この曲、この演奏】
マッコイ・タイナー作のこの美しいバラッド、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけです。作者のマッコイは、1978年の田園コロシアムでのライブ・アンダー・ザ・スカイにロン・カーターとトニー・ウィリアムスとのトリオで出演した際にもこの曲を演奏し、それはマイルストーンから発売されました。(資料08)
この演奏について資料09では「静謐の美」と難しい漢字を用いて表現していますが、まさにその通りの演奏です。テナー・サックスのコルトレーンがテーマを奏で、そのままテナーでのソロに入ります。ハバードのトランペットとドルフィーのアルトが後に続き、ソロの最後はマッコイのピアノとなり、テナーのコルトレーンが後テーマを演奏して終わる構成です。ハバードもドルフィーも存在感を示していますが、やはりコルトレーンとマッコイが光っている演奏であり、この「静謐の美」はインパルスでも何度か耳にするものです。
エルヴィンのブラシ、そしてベースはワークマン一本、こちらも渋い存在感でありました。
なおこの曲は計8回演奏されており、内5回はフォルス・スタートや完走できずに終わっています。問題は完走した最後の3テイクなのですが、資料07によれば、どれが本テイクに選ばれているのか、不明な点があるようです。果たして真意はいかに、なのですが、本テイク以外は紛失していますので、確認のしようがないままです。




【エピソード、変名】
契約の関係上、別名でアルバムにクレジットされることは、音楽界では散見されることだ。本セッションの演奏が1373(Ole)としてアトランティックから発売された際には、George Lane とのドルフィーはクレジットされていました。この時期、ドルフィーはプレスティッジと契約していたからです。「Dolphy - cannot use name - use alias」と本セッションのファイルに書かれている。
プレスティッジと契約しているジャズマンが他レーベルにサイドマンで実名参加するケースは数多ありますが、何故にドルフィーはダメだったのか、その点は各資料をながめても答えはない。
なおブルーノートと契約しているハバードについては1373(Ole)では、「by arrangement with Blue Note Records」として、実名表記されている。(資料07より)
 

14度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月30日(金)07時17分33秒
  19610525-05
Dahomey Dance (John Coltrane)
(10分52秒)



【この曲、この演奏】
コルトレーン作のこの曲の演奏記録は、本セッションだけです。(資料07)
資料09によればここでの演奏は、「ジャイアント・ステップス辺りでピークを迎えたシーツ・オブ・サウンドの明確な機能的奏法から、ここのフレーズ云々よりももっと印象を重視した何か神秘的なもののメタファーのようなものを導いている」とあります。この一文を私は興味深く感じました。二年間のアトランティックでの活動のコルトレーンの進化を端的な文章にしており、また私が感じながら表現できないことを上手く書いているなと思いました。
ここではテナー・サックスで演奏するコルトレーンは、テーマからソロ先発へと特別な世界観のような色合いで表現しています。その後のソロは、ハバードのトランペット、ドルフィーのアルト、そしてマッコイのピアノと続きますが、それぞれの世界を醸し出す演奏を行なっています。
タイトルの「Dahomey」とはダホメ王国のことで、現在のベナンの場所です。そこは専制軍事国家が奴隷貿易を収入源としていました。(ウィキペディアより)
アフリカ系アメリカ人の彼らにしか分からない思いを、この演奏に込めているのでしょうか。



【エピソード、事実上インパルス?】
このセッションで演奏された四曲中三曲で構成されたアルバム「オレ」は確かにアトランティックの作品だが、私にはインパルスの作品との印象で今でもいる。
アトランティックとの契約は三月末までだったのでしょうが、この五月の録音となった理由については、私がこの「今日のコルトレーン」で参考にしている各資料には記述がない。しかしそのことで、コルトレーンのインパルスでの最初の活動である「アフリカ/ブラス」の吹き込み二日間の間に本セッションが行われた。そのメンバーの編成は、管楽器を何本も用いて、ベースを二人にしたりと、「アフリカ/ブラス」での手法の小型版が本セッションと言えよう。その編成から得られた効果は、これまでのアトランティック時代にはないものだ。
次に録音スタジオであるが、これまでのセッションではアトランティックのスタジオで行われていたが、このセッションではA&Rスタジオで行われており、また録音技師もトム・ダウドではなくフィル・ラモーンである。A&Rスタジオもフィル・ラモーンもインパルスとは関係はないが、アトランティックとも関係があるわけではない。
スーパーバイザーとして今まで通りにネスヒ・アーテガンがクレジットされているが、特段何もしなかったのではと思う。
すでにインパルスのコルトレーンが、アトランティックとの契約履行のための本セッションであるのであろうが、その内容には一聴の価値が十分あるものだ。
 

14度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月29日(木)07時24分26秒
  19610525-01
Ole (John Coltrane)
(18分15秒)



【この曲、この演奏】
コルトレーン作のこの曲の演奏記録ですが、1995年発刊の資料06ではこのセッションだけとなっていましたが、それから13年後に発刊された改訂版では、このセッションから二ヶ月後にライブで取り上げられていたことが追加されました。それはベースがレジー・ワークマンになってのカルテットに,、アート・デイヴィスのベースが加わってのものです。私家録音が残っているようですが、残念ながら世には出ておりません。
さて本セッションでのこの曲ですが、こちらでもベースはワークマンにデイヴィスとなっており、コルトレーンはソプラノ・サックス、そしてドルフィーはフルートを吹いております。
その演奏ですが、コルトレーンがスペインの民族音楽に触発して作ったこの曲に対して、先ずはテーマにおいてコルトレーンがソプラノでメンバーに魔法をかけるかのように演奏しています。ソロは、フルート - トランペット - ピアノ - ベース2本と続いていきますが、コルトレーンの魔法にかかったかのような展開です。ソロはコルトレーンのソプラノへと続きそのまま後テーマとなるのですが、コルトレーンに他のメンバーの魔法が加わったような、妖しさの世界の表現となっています。
コルトレーンがソプラノ・サックスの可能性を更に深めたとの同時に、全体をサポートするマッコイとエルヴィンの姿が何とも言えぬ仕上がりになっています。
コルトレーンの出番はさほど多くないのに全体がコルトレーンに支配されている、そんな内容です。
この曲は計4回演奏されました。最初がこの本テイクなのですが、資料07にアトランティックのセッション・ファイルが記載されており、そこにはこの本テイクに対して「very good first take, but long」と書かれております。そこでその後に3回演奏されたのですが、結局は最初のテイクを超える演奏はなかったようです。
なお録音最中ではこの曲は、「Venga Vallejo」との仮題がついていたと、同じく資料07にあります。



【エピソード、このセッション】
このセッションが、コルトレーンのアトランティックにおける最後のセッションである。二年間強で12回のセッションを行い、名盤を産んできたが、実験的、或いは試験的な作品も産まれてきた。
このセッションの後にコルトレーンのインパルスでのレコーディングが始まる、となるところなのだが、実際にはこの二日目にインパルスでの最初のレコーディングを行なっていた。それは「アフリカ・ブラス」のセッションで、5月23日と6月7日の二回に分けて行われた。
 

14度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月28日(水)07時37分40秒
  19601026-06
Equinox (John Coltrane)
(8分35秒)



【この曲、この演奏】
資料07にはこの曲の演奏記録が6回ありますが、音源が世に出ているのは本セッションだけです。1959年12月2日と1960年10月21日にアトランティックのスタジオ録音で演奏されていますが、何故だかテープは紛失です。ライブでは、1960年9月24日のモントレー・ジャズ祭、1960年7月18日のフィラデルフィアのショウボート、そして1961年3月上旬のシカゴのサザーランドホテルでの演奏記録があります。
「コルトレーン作のモーダルなマイナー・ブルース。こういったミディアム・テンポの曲でリズム隊が創り出す、無機的でありながら異様なまでのテンションを胎んだ音空間は、後に”黄金のカルテット”の最も重要なモチーフとなった」と、資料09に書かれています。
まさにその通りと感じる文章です。一年間に渡り、この曲をテーマに自分を、そして自分のバンドを創り上げるか、そんなコルトレーンの取り組みが結実したここでの演奏と言えるでしょう。そしてそれは、インパルス時代へと続いていく序章となっています。



【エピソード、コルトレーンのホロスコープ その5で終わり】
彼の天逝は、多分、麻薬と酒を若い時から始めたせいであろう。が、その前兆は、放縦のしるしである第五宮の冥王星と、死の第十二宮で肝臓を司る木星にもあらわれていた。彼の主三分一座は、土星、天王星、冥王星と、害をもたらす運星ばかりだったので、彼は自分の死をありがたき救済だと思っていたのではないだろうか。

われわれはいま、水がめ座の活動期に入りつつある。ミュージシャンたちは星占いにとても敏感で、星からの振動波をすかさずキャッチし、自分たちの音楽を通して生命の霊的概念と波長を合わせ始めている。われわれは、ジョン・コルトレーンがその先頭を走っていることに感謝しなければならない。
ホレス・シルヴァー

(以上すべて資料01より)
 

14度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月27日(火)06時44分41秒
  19601026-05
The Night Has A Thousand Eyes (Buddy Bernier / Jerry Brainin)
(6分51秒)



【この曲、この演奏】
邦題「夜は千の眼を持つ」のこの曲についの出所は、よく分からないと資料14にあります。1948年に同名映画がありますが、その中で本曲を聞くことは出来ないとのことです。作詞作曲者も無名なこともあり、どのような経緯の曲か不明とのことです。
この曲の代表的演奏としては資料14では、ロリンズのアルバム「ホワッツ・ニュー」、ゲッツのアルバム「ザ・ドルフィン」と共に、ここでのコルトレーンの演奏を取り上げています。
コルトレーンのこの曲の演奏記録は、アトランティックのスタジオ録音として本セッションが三度目となります。1959年12月2日、1960年10月21日のセッションでの演奏は、世に出ておらず、資料07では恐らくは紛失したとしています。なおライブでは1960年6月10日のジャズ・ギャラリーで、この曲が演奏されています。
さて演奏ですが、軽快なテンポの中、吹きまくりのコルトレーン、そしてエルヴィンとマッコイののびのび演奏がそれに加わり、ハードバップの勢いを感じる演奏となっています。




【エピソード、コルトレーンのホロスコープ その4】
月の北方交差点は創造性の室である第五室の境界線にあり、実用性の室である第二室において月が移動していることは、絶えず変化を求める人間を示している。この変化の必要性が彼の女性関係に影響を及ぼしている。愛の星である金星が乙女座に入っているため、彼は女性の選択について人一倍やかましいのだ。
幻想と誘惑の星であり海王星が、彼の上昇宮魚座を支配する獅子座に入っているため、彼が名声を博することは明らかだ。それはまた、彼がロマンティックで神秘的な事柄に深入りしやすい傾向を持っていることを示している。海王星が仕事と奉仕の第六室に入っているため、コルトレーンは人類のために芸術を創造する大きな力を発揮するのである。
(資料01より)
 

12度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月26日(月)07時22分25秒
  さてフランセスコさんの「ソラ ジャケ」作品。
なんとなく疲れた退廃的な空間を表現しました、というようなピアノトリオとアルト・サックスの演奏でした。何かの主張、何かの変化、そんなものが欲しかったです。ただやりました、と感じてしまう演奏は、ジャケと同様でした。
どんな状況でも受けた仕事では全力を尽くす、そんなエディ・ゴメスの存在は確認でき、プロの意地を感じた作品です。
 

12度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月25日(日)07時16分13秒
  その前に、この作品が録音された1998年10月7日(水)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
日経「破たん前資本注入枠 新設、早期健全化法案、今国会成立へ、自民修正案、平和・社民が評価」
これはバブルでボロボロになった金融機関救済策なのでしょう。

読売「韓国民におわび明記、日韓共同宣言の全文、高次元の関係構築」
お互いに相手を思いやる、この意識がない国とは一緒に何もできないことが、この記事からの20数年で証明されています。

朝日「指紋押なつ制度全廃へ、外登法改正の方向、法務省、通常国会に提出準備」
これもある国の思考能力を停止させた行動によっての、流れでした。



ではこの10月7日の読売新聞から少しばかり紹介します。
・1面に「商品券減税が浮上、政府・自民」との見出し記事があります。自民党が連立を組む公明党へのおべんちゃらで始めたもので、1999年に地域振興券として6194億円を交付しました。この手法はその後も、2015年のプレミアム商品券、2019年のプレミアム付商品券で用いられました。
・37面にパルアクティブ社の広告があり、「ビッグバン時代のリゾート会員券、新登場」として、「アクティブ・アクシオン倶楽部誕生」として、80万円の会員権を宣伝しています。この会社は2011年に破産となりました。
・TV欄 NHK教育 12:00からは「山本容子のエッチング入門」が再放送されています。今でも活躍されている銅版画家の山本さん、私の記憶が確かなら「たけしの誰でもピカソ」というテレ東の番組のアートバトルのゲスト審査員で出ていたことがあり、その際に嫌いな挑戦者に見せる露骨な態度が印象に残っています。
 

16度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月24日(土)07時43分37秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「ソラ ジャケ」です。


「ソラ ジャケ」作品の25枚目は、Francesco D'errico の Av. of the Americans、1998年10月7日の録音です。
本作の写真家にクレジットされれいるStefania Zamparelli さんは、イタリアの女性カメラマンのようです。ネットにある彼女の写真を見ますと、フットワーク軽く各地を飛び回り、各地の今を切り取るタイプの写真家のようです。
ネットにあるStefania Zamparelli さんの写真は、ジャケットの写真とは印象が違うのです。ジャケのは、スロー・シャッターでブレた写真にして、何か意味があるのだと主張するような写真です。そして空は、完全に飛んでしまっています。
2002年3月22日に本作を「今日の1枚」で取り上げた際に、前段では私の勘違いがありました。「アメリカの通りに因んだフランセスコさんの曲が並んでいます」と書きましたが、とんでもない間違いでした。
さて後段で私は18年前に、「アイラーを甘くしたアルトが心地よかったのは数曲だけ。映画のバックに流れてくるような穏やかな演奏のピアノに、退屈感は歪めない」と、本作を全否定しました。こちらにも何かの間違いがあったのか、つまみ食いしてみます。
 

17度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月23日(金)07時27分45秒
  さてさんの「ソラ ジャケ」作品。
三人の演奏の確かさ、録音の良さ、曲の解釈での悲しさと優しさ、そして切れ味の良さ、内容が良いから人気が高い作品であることを、私は20年かけてようやく理解できました。
この「つまみ食い」企画を通して、過去の私の「今日の1枚」での感想の恥ずかしさと向き合ってきましたが、今回のそれは本当に強いものでした。いくら、その時の感想を書くのが「今日の1枚」、とはいえです。
という反省をしながら、その時々で響き方が違うからこそ面白く、評論家や格付屋でもない私は、「I'm a fool to want you」での苦味が曇り空によく合うなと思いながら、あくまでその時の感想を素直に書くことを改めて心に決めた、今回のつまみ食いでした。
 

14度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月22日(木)06時56分5秒
  その前に、この作品が録音された1999年5月8日(土)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
日経「預金保護へ新たな枠組、ペイオフ解禁にらみ 大蔵省検討、入札通じ預金を健全行へ継承、米国方式軸に」

読売「国と和解の公算、川崎公害訴訟、環境対策を確約、17年ぶり決着へ、東京高裁が提示」
経済成長期前の戦前から含めての京浜工業地帯からの大気汚染が、その対象でした。なおウィキペディアによれば「1996年12月25日:東京高裁にて、企業側と原告が和解」とありますが、この記事との関係は分かりませんでした。

朝日「自自公 修正で合意、組織犯罪法案、通信傍受対策絞る、衆院可決の可能性、参院公明なお異論」
この年の8月18日に、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律、通称は組織的犯罪処罰法あるいは組織犯罪処罰法が制定されました。



ではこの5月8日の新聞から少しばかり紹介します。
・2面 総合面に「信金も宝くじ販売、年内にも、法改正受け全信連方針」との見出し記事があります。これはあくまで「販売」であり、「発売」は旧日本勧業銀行時代より割増金付債券の発行権を認められていたみずほ銀行がほぼ一手に行っています。
・22面 スポーツ面下に雑誌「日経クリック」の広告があり、「パソコンでできるスゴイこと100」との特集を宣伝しています。情報機器は常に進歩し続けており、またインターネット上で可能なことも常に広がり続けているため、このような広告は今でも目にするものですね。
・TV欄 NHK教育 22:00からの「サイエンスアイ」、この日は「やさしい福祉ロボット」とのテーマでした。いつの時代も先先を考えて研究開発をしている方々のおかげで、介護ロボットが広がりそうな今に至っています。
 

13度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月21日(水)07時11分38秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「ソラ ジャケ」です。


「ソラ ジャケ」作品の24枚目は、Baptiste Trotignon の Fluide、1999年5月8日の録音です。
あくまで私が見聞きした範囲ですが、このCDは中古盤市場で新品価格以上の値段をつけた最初ものでした。確か6千円ほどだったと記憶しています。またマイナー・レーベルの中のマイナーなレーベルの常として再プレス無しが普通でしたが、何とこのCDは再プレスされたのでした。そしてこれを書きながら知ったことですが、2003年には澤野からも発売されていたようです。
さて本作はバプティストさんの最初の作品であり、Wikipediaによれば彼は今に至るまで計15枚の作品を発表し続けています。人気者バプティストさんの人気作品なのですが、2001年1月16日に「今日の1枚」で取り上げた際には私は、「最近の欧州ジャズ・ピアノの流れに沿ったものですが、個性が感じられなかった」とか「このまま消える可能性大の方」などと酷評をかましてしまいました。
欧州にはつきものの曇り空の日々、そんな中の憂鬱感ジャケにはある本作品、20年ぶりに聴くことになります。
 

11度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月20日(火)07時32分36秒
  さてヤンさんの「ソラ ジャケ」作品。
私にとっては耳タコ盤なので、どんなに久しぶりであろうと、楽しく聴ける作品です。仕掛けの妙、心にやんわりと入り込むメロディ、適度な仕掛けが本作の魅力だと改めて実感しました。
ネットをみますと、本作は新品としては流通していないようです。またジャズ系のブログで本作を取り上げていたのは幾つもありましたが、あくまで私がみた限りでは2009年が最後です。21世紀に入って10年は生きられた作品ということなのでしょうか。
この作品が今の時代でも輝くためには何が欠けているのかなと考えを巡らせながら、自分にとっては愛聴盤なのだから余計なことかと考えを戻して、つまみ食いを終えました。
 

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