<思いやりのあるコミュニティ宣言>
 teacup.掲示板は、皆様の権利を守りながら、思いやり、温かみのあるコミュニティづくりを応援します。
 いつもご協力いただきありがとうございます。

 投稿者
 メール
  題名
  内容 入力補助画像・ファイル<IMG> youtubeの<IFRAME>タグが利用可能です。(詳細)
    
 URL
[ ケータイで使う ] [ BBSティッカー ] [ 書込み通知 ]


1度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月18日(金)07時01分34秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「ソラ ジャケ」です。


「ソラ ジャケ」作品の28枚目は、Munich Saxophone Family の Survival Song、1999年1月19日の録音です。
冬山の雲景色は、いつ何時にその姿を変えるか危険なもの、そんな話を時折に聞くことがあります。このジャケ、恐らくはスイスの冬山なのですが、この状態ならば天候は持っていると思いますが、いつ何時に牙を?くかの恐怖は、登山者は感じていることなのでしょう。その意味では、このアルバム名はしっくりくるものです。
2000年2月12日にこの作品を「今日の1枚」で取り上げた時には、このミュンヘン・サックス一家の詳しいことは不明でした。今回改めてネットで調べたところ、メンバー四人の中で、Florian Trubsbach以外の三人は、Wikipedia(言語は様々)にページがある方でした。ドイツ人のJurgen Seefelder と Thomas Zoller、そしてスイス人のRoman Schwallerの三人です。特にRoman Schwallerは個人で何枚も作品を発表している方で、この「今日の1枚」でも1枚取り上げたことがあります。(2001年10月11日)またこのサックス四人組は、これ以外にも数枚の作品を残しているようです。
20年以上前の本作への私の感想は、あともう一歩、とのものでした。それは同形態のWSQとの比較もあったことでしょう。今回のつまみ食いはそれから20年、私の感想も変わってくると思います。冬山登山の「一瞬のヒヤリ」、そんな瞬間を感じる演奏を求めて、つまみ食いしてみます。
 

1度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月17日(木)07時11分52秒
  さてメルドーさんの「ソラ ジャケ」作品。
メルドーの特徴を書いている個人のページを、いくつも読んでみました。私が感じたのは、多くのページがメルドーに対する特徴表現のお困りの様子が伝わってきますし、長文になるページが多かったです。
その気持ちはよく理解できるなと感じながら、かつて「不良がかったキース・ジャレット」とあっさりと書いた自分を思い出しました。
ワルの世界に憧れを持つ、義理人情と裏切りの世界に惹かれる、こんな気持ちは男性ならば誰でもあると思います。だからこそギャングというテーマは、いつの時代も、どこの国でも、多くの映画で扱われてきたのでしょう。
そんな気持ちをこの作品のメルドーさんの中に感じた今回のつまみ食い、青空は似合わないと思いながらも、ルドーさんの根は青空のように健康的なのかとも思い、自分自身にも重ねながら聴き終えました。
 

3度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月16日(水)07時24分23秒
  その前に、この作品が録音された2000年1月25日(火)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
日経「国公立大への委託研究推進、産学の技術協力で新制度、複数年契約可能に、政府が法案」

読売「最重要度、月額35万8300円、介護保険在宅サービス上限、短期入所42日、半年単位別枠扱い、支給案、厚相諮問」

朝日「要介護5で月35万8300円、介護保険サービス上限、厚生省、福祉用具年10万円、住宅改修20万円」

ネットで調べた限りではこの支給額は、今でも実質同額のようです。消費税率の引き上げに伴っての変更があったようです。




ではこの1月25日の読売新聞から少しばかり紹介します。
・11面 経済面に「パソコン人気、女性が欲しい商品の1位に、電通調査」との記事があります。18歳から74歳を対象にした調査で、2位は洋服、3位は自動車とのことです。ちなみに男性では、1位が自動車で2位がパソコン、そして3位が土地・住宅でした。パソコンが会社でも家庭でも、一人一台の時代になろうとしている時代の瞬間の記事と、言えるでしょう。
・ニュートンなる会社が二つの広告を出していますが、違う会社でした。4面全てを使っての、(株)ニュートンは社労士試験の勉強ソフトの広告を、7面下の(株)ニュートンプレスの広告は雑誌「Newton」を宣伝しています。
今でもお馴染みの雑誌のニュートンは、今でも(株)ニュートンプレスからの発行です。さて(株)ニュートンなる会社ですが、ネットで調べたところ4社があるようです。1986年創業の新宿にある「遊び空間」に会社、2000年創業の大田区にある「電気電子系設計開発」の会社、1986年創業の岩手県にある「プラスチック製品製造」の会社、そして1977年創業の渋谷にあるこの広告の会社です。
・TV欄 NHK 21:30からの「クローズアップ現代」のこの日のテーマは、「300万円で部長にします。リストラ時代の新詐欺商法」であります。この放送から20年が経った現在は、65歳定年に対しても各企業の対応は遅れているのに、それが70歳定年となっていく中におります。この番組のような詐欺の手口は、これから更に増えてくるのでしょう。
 

4度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月15日(火)08時00分36秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「ソラ ジャケ」です。


「ソラ ジャケ」作品の27枚目は、Brad Mehldau の places,、2000年1月25日の録音です。
いくつかの街に住んできて、思い出深い行きつけのお店で、それぞれの街にあります。その一軒一軒を思い浮かべると、その時々のことを思い出します。そんな20軒近くのお店ですが、窓からの景色が印象に残っているお店は、一軒もありませんでした。
このメルドーさんの作品のジャケにあるお店は、大きな窓が印象的な路面店です。私の行きつけにこのようなお店があれば、印象深いものになったことでしょう。
この作品は「今日の1枚」では2001年1月14日に、「イス ジャケ作品をつまみ食い」では2019年11月に掲載しました。その時々の感想を、素直な気持ちで私は書いていたようです。今回のつまみ食いでは、窓越しに見える青空に雲、こんな風景が頭に浮かぶ曲を探したいと思います。
 

11度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月14日(月)07時12分35秒
  さて千尋さんの「ソラ ジャケ」作品。
微かな記憶ですが、以前にBSで彼女の演奏に触れた記憶があります。繰り出すリズムの力強さと、豊かな解釈力が印象に残りました。
本作品では「繰り出すリズムの力強さ」はその通りの演奏ですが、「豊かな解釈力」は控えめに感じました。表現過多にならないように、彼女が自らをプロデュースしたのかなと思いました。
この作品以降彼女は10年近くの間、毎年新作を発表しておりました。いつかはそんな演奏に触れることもあるかなと思いながら、それはディスクユニオン中古半額セールの時だろうと考え、そうするとこのご時世ですからそんなセールはないかなと、考えが横に外れながらも、それなりに本作を楽しみました。
さて20年近く前の「今日の1枚」で書いた「篭った高音」は、当時のペナンの部屋のライブ過ぎる環境からのものだったのでしょう。ジャケの通りの青空の日々が多いペナンで、今の横浜と同様の環境で本作に接していたら、違った感想になっていたジャズです。
 

8度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月13日(日)05時34分54秒
  その前に、この作品が録音された2001年8月13日(月)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
(新聞休刊日のため朝刊休み、夕刊からの抜粋です)
日経「収益回復 来年以降に、米企業、IT不況響く、主要500社 10-12月営業減益へ」
米経営者五人のコメントが掲載されており、それらはシスコシステムズ、ヒューレットパッカード、ベライゾン・コミュニケーションズ、IBM、デュポン、そしてメリルリンチです。五社共にアメリカを代表する会社だけあり、二十年後の今でもそれぞれの分野のリーディング・カンパニーです。さてヒューレットパッカード、というよりHPでお馴染みのこの会社ですが、2015年にパソコン等部門とデーターセンター向けサーバー機器を扱う、二つの法人に分割されたため、法人登記上ではヒューレットパッカードという社名は終焉となっています。

読売「一時 バブル後最安値、平均株価 1万1417円、ハイテク売られる」
この記事から7年後の2008年10月28日に一時 6,994円90銭となり、これがバブル後最安値です。終値としては2009年3月10日に記録した7,054円98銭が、バブル後最安値です。リーマンショックで真っ暗な時代でした。

朝日「土佐 銀、世界陸上 女子マラソン、渋井4位」
土佐礼子選手は、2004年アテネ(5位)と2008年北京(途中棄権)と2度オリンピックに出場しました。国際大会としてはこの記事の世界陸上エドモンド大会が、最高位となります。




ではこの8月13日の日経新聞から少しばかり紹介します。
・8面に「奇跡の自在さ、ショーターの即興、ニューポート・ジャズ・フェスティバル」との見出し記事があり、青木和富氏による記事です。てっきり海外取材かと思ったのですが、「ニューポート・ジャズ・フェスティバル・斑尾」のレポートでした。注目としてショーターの他に、カート・エリング、アルトゥーロ・サンドバル、そしてカール・デンソンの名を挙げています。
さて1982年から始まったニューポート・ジャズ・フェスティバル・イン・斑尾ですが、中止の三年間を挟み2003年まで開催されていました。
・13面のスポーツ面下に「八ツ目製薬」の広告があり、「未病を考える」として、四つの中国のくすりを宣伝しています。降圧丸・八仙宝寿丸・至宝三鞭丸・活絡健歩丸、この四つですが、今でも八ツ目製薬から発売されています。
・TV欄 NHK教育 22:00から「スティーブン・スピルバーグ 自らを語る、前半」との番組があり、「ジョーズからETまで」との内容とのことです。
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月12日(土)07時17分11秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「ソラ ジャケ」です。


「ソラ ジャケ」作品の26枚目は、山中千尋さんのLiving Without Friday、2001年8月13日の録音です。
ジャケはAya Ohtaという方のイラストです。ネットで検索してみますと太田彩さんというイラストレイターがヒットしましたが、そのページにある彼女の作品は本ジャケのイメージとは違うものなので、太田彩さんが本ジャケの作者とは断言できるまでの情報収集とはなりませんでした。
青空が見事な写真というのは、フィルムの時代からフィルターやプリント等に工夫を凝らしてきたものです。デジタル時代になれば「見事な青空」を現像段階で容易に作れるようになりましたが、加工し過ぎのものには閉口します。
さて本作はイラストですので、作者思いのままに青空を表現できます。本作では青空の引き立て役として、白い鳥と緑の広がりを使っております。
さて本作を「今日の1枚」で取り上げたのは、2002年4月4日のことでした。今それを読み返してみますと、自分で書いたのに言いたいことが掴みかねております。今回は新たな気持ちで、青空イラスト・ジャケ作品を聴いてみます。
 

7度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月11日(金)07時29分24秒
  昨日の1枚は、Oded Tzur の Here Be Dragons。
幽玄な海の神秘の世界を描いたかの演奏、サックスがピアノとベースに語りかけるように演奏が続きます。地図製作者が未開の地域や危険な地域に、「Here Be Dragons」と入れるとのことです。これがアルバム名になっており、そして1曲目に収録されています。ゆったりと落ち着いた演奏が、いつ危険な状態に、と思いながら聴いていました。しかし、ゆったりと落ち着いたまま終わり。多少の戸惑いはありましたが、演奏はなかなかなものです。
ドラムがリズム・キープするのではなく、ブラシやマレットも用いて効果音として機能しています。これも効果的なのですが、この四人の演奏スタイルが最後まで続きます。そして最後まで聴かせるところはお見事でした。
次に買うオデッド・ツールの作品では彼の違う面を味わいたいと思いながら、プレスリーの「好きにならずにいられない」でさえも幽玄な海の神秘の世界で表現する、この作品でのオデッド・ツールのスタイルは素晴らしいねと感じて、聴き終えました。
 

8度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月10日(木)07時38分31秒
  今日の1枚は、Oded Tzur の Here Be Dragons、ECM原盤、2019年6月の録音です。
テルアビブ出身のテナー・サックス奏者 オデッド・ツールは、テルアビブでの音楽活動の後に、2007年からはロッテルダム音楽院で学びました。その後にインド音楽にも関わり、2011年からはNYのジャズ・シーンで活動しています。(以上はWikipediaドイツ語版から引用)
数枚のリーダー作を発表している彼ですが、今日取り上げる作品が最新作となります。Nitai Hershkovits(p), Petros Klampanis(b), そして Johnathan Blake(d) との演奏です。






昨日の1枚は、Omri Mor の It's about time !。
イスラム教徒がほぼ全てを占めるアルジェリアとモロッコでユダヤ人、ここに私には難しい点がありますが、オムリはこの北アフリカでメロディをリズムにどのようにぶつけるかを探求した、そんな風にこの作品を通して感じました。
アヴィシャイ・コーエンとのデュオでの「Tears」、そこにドラムを入れての「Sica」、この二曲の流れは実に素晴らしい時の流れでした。
タイトルの意気込みが理解できる本作品を聴けば「是非、次も」となるのですが、オムリのサイトで確認したところ、第二作は発表されていないようです。
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 9日(水)07時41分32秒
  今日の1枚は、Omri Mor の It's about time !、naive原盤、 2016年6月の録音です。
オムリ・モーアとカタカナ表記される、このイスラエル出身ピアニストについてはWikipediaにページがありませんでした。ディスク・ユニオンのページによれば、オムリの名前が登場したのは2000年代中頃の「The Omar Avital Marlon Browden Project」、トランペットのアヴィシャイ・コーエンのバンドに参加し、また2017年にはベースのアヴィシャイ・コーエンのバンドの一員として来日したようです。
イスラエルジャズ界の重鎮たちから評価されているオムリの、初リーダー作を今日は取り上げます。Avishai Cohen(b), Karim Ziad(d)との演奏、そして Michel Alibo(e-b), Donald Kontomanou(d), Maalem Abdelkebir Merchane(vo)との演奏、二つのセッションから構成されている作品です。全9曲、「You And The Night and The Music」を除き、オムリ作の曲が並んでいます。
ライナーノーツにオムリが文章を寄せていますが、その冒頭で彼は「アルジェリアとモロッコ、この北アフリカの素晴らしい音楽との私の長い関わりの成果が、この作品だ」と述べています。




昨日の1枚は、Shai Maestro の The Road To Ithaca。
NY州中部にIthaca(イサカ)という都市がありますが、このアルバムのタイトルとは関係ないでしょう。他にネット検索でIthacaでヒットするのは、ギリシャにあるイタキ島です。シャイはイスラエル生まれですが、ギリシャに住んでいた先祖がいるのかもしれません。この作品を聴いていると、他のイスラエル出身ジャズマンには感じられなかった、しかしイスラエルのような色わいを感じました。
このアルバム全体を通して言えることですが、端厳な美から始まり、徐々にシャイのアレンジとリズムの妙で生身の迫力を感じさせる演奏になっています。ここが彼の個性であり、その魅力なのでしょう。
さて本作の最後に、女性歌手Neli Andreevaが参加している「Malka Moma」という曲があり、日本の民謡にもあるような雰囲気を醸し出しています。曲名は「若い娘」との意味のブルガリア語、シャイの先祖のことをあれこれ勝手に想像しながら、第三世代シャイの作品を堪能しました。
 

8度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 8日(火)07時41分4秒
  今日の1枚は、Shai Maestro の The Road To Ithaca、Laborie原盤、2013年頃の録音です。
ここ数年で人気を博した漫才師は、第七世代というらしいです。漫才に世代付するのに驚きながら、では第一世代はエンタツ・アチャコやミスハワイの時代か思いましたが、ウィキペディアによれば1960年代の漫才師を指すそうです。私が好きな獅子てんや・瀬戸わんや師匠がこの世代の真ん中で、青空球児・好児師匠の活躍がその最後のあたりとなるのでしょう。第二世代は「漫才ブーム」であり、私はしっかりと記憶しているものです。私が洋楽をラジオで聴き始める直前が第一世代、ロック少年からジャズ青年になっていった時期が第二世代となります。
イスラエル出身ジャズマンに、第一から三世代との分けがあるそうです。私がみたサイトでは、第一世代の代表格は、1971年生まれで1990年代半ばからNYで活動し始めたオマー・アヴィタルとありました。第二世代は1978年生まれで2000年代からプロ活動のトランペットのアヴィシャイ・コーエン、そして第三世代が1987年生まれで2000年代後半からプロ活動のシャイ・マエストロが、その代表格のようです。
先の漫才師の第一と第二の世代ならば、その漫才の特徴を熱弁できる気がする私ですが、イスラエル出身ジャズマンの世代分けを説明したページには、その世代ごとの特徴が書かれていませんでした。
今日取り上げるのは第三世代の代表格のピアニストであるシャイ・マエストロのトリオ作品です。2000年代の終わりからベースのアヴィシャイ・コーエンのバンドで活動し、2010年からは自分のトリオを率いて活動を始めた彼の、二枚目のリーダー作品です。
Jorge Roeder(b) と Ziv Ravitz(d) との演奏です。




昨日の1枚は、Omer Avital の Room To Grow。
「Kentucky Girl」は1996年ライブ盤と比べると10分長い25分の演奏ですが、そこにオマーはいくつもの構想を織り込んでいるようです。そしてここでの演奏はその構想が実るまでの過程のドラマが描かれており、この意味では「It's Alright With Me」と「26-2」も同様と言えるのでしょう。
ベース奏者としての揺るぎない実力、そしてバンドリーダーとしての「伸びしろ」に期待を抱かせる、愛着が湧く作品です。
 

6度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 7日(月)07時24分43秒
  今日の1枚は、Omer Avital の Room To Grow、Smalls原盤、1997年の録音です。
Wikipediaによれば、ベース奏者オマー・アヴィタルの本作品は、発売としては第五作目になるようです。しかし録音は1997年の初頭のことですので、前回(2020/11/6)取り上げた1996年録音作品同様に、人気が出てきたオマー・アヴィタルのライブ音源を10年後に発売した、とのものでしょう。
1996年のライブとメンバーはほぼ同様で、ドラムだけが Joe Strasser に変わっています。演奏曲ですが、1996年盤でも演奏されたオマー作の「Kentucky Girl」、スタンダードの「It's Alright With Me」、そしてコルトレーン作の「26-2」の三曲で60分超えとなっています。「伸びしろ」と名付けられた本作品を、今日は聴いてみます。




昨日の1枚は、Avishai Cohen + The International Vamp Band の Unity。
ピアノで自己主張の場面もありますが、やはりインタビューでアヴィシャイが述べている通りに、音楽の流れに精力を傾けているアヴィシャイです。その流れは清涼感あるものですが、そこに加える味わいは幅広いもので、音楽内容としてはインターナショナルというよりユニバーサル、とのアヴィシャイの発言にうなづけるものです。
さて私はこのバンド名の「Vamp」の意味を考えておりました。「メロディの導入部分もしくは間奏部分で演奏される、リズム・パターンのみの演奏のこと」「短いコードの繰り返しなどによる伴奏パターン」との意味が、音楽用語のヴァンプにはあります。そして他にもこの言葉には「(男を)誘惑する」との意味があります。「音楽に、ジャズに誘惑された男たちのバンド」、このアルバムの内容からはこの意味かなと感じながら、国内盤限定ボーナストラック2曲も楽しみながら、この作品を聴き終えました。
 

6度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 6日(日)06時58分58秒
  今日の1枚は、Avishai Cohen + The International Vamp Band の Unity、Stretch原盤、2001年の録音です。
今年の中旬の二ヶ月間にイスラエル出身ジャズマンの作品を50枚弱購入しましたが、新譜に近い作品以外は中古での購入となりました。その中に一作品だけ日本プレスのものがあり、それは今日取り上げる作品です。
ややこしい言い方になりますが、ベース奏者のアヴィシャイ・コーエンがピアノを演奏している作品であり、イスラエル三人、そしてアルゼンチン、キューバ、メキシコから各一人、四カ国六人からなるバンドの最初の作品になります。
さて国内盤CDには、小川隆夫さんによる解説が封入されており、氏が行ったアヴィシャイへのインタビューがあり、そこにピアノ演奏作品を作った経緯がありますの、紹介します。
「2000年1月のことだった。ビザの書き換えでぼくはエルサレムに帰っていた。けれどちょっとした問題があって、ビザが発給されるまで2ヶ月間待たされることになったんだ。それでポッカリ時間が空いたんで、前々から考えていたことを実行に移そうと思いついたのさ。ピアニストとして演奏することをね。それで友人だったベース奏者のヤジル・バラスとドラムスのダン・アランを誘って、西エルサレムの小さなクラブで演奏を始めた」
またインタビューでは、次のこともアヴィシャイは述べています。
「同時に気がついたのが、ベーシストとしてバンドを率いるのとピアニストとしてバンドを率いるのとではまったく違うということだった。どっちがいいって言うんじゃなくて、音楽に対する見方がそれぞれで違っているんだ。ベーシストの場合は、サウンド全体のバランスをまず考えてしまう。ピアニストでいるときは、音楽の方向性がとても気になる。自分が音楽やグループを引っ張っていかなくては、という気持ちがピアノを弾いていると強くなるみたいだ」
Antonio Sánchez(d, vo), Diego Urcola(tp), Yosvany Terry(as, ts), Avi Lebovich(tb, vo), そして Yagil Baras(b) との演奏です。







昨日の1枚は、Third World Love の Sketch Of Tel Aviv。
ヨナタン作のタイトル曲は、タンゴ調のテーマをベースに、街の揺らぎを表現した演奏になっています。ベースの力強さ、エフェクト多めのトランペットが、テルアビブでの生活の揺れ動きを、決して過剰なものとしないで演奏しきっているのがお見事でした。そしてその流れには常にヨナタンさんの凛としたピアノが流れていました。ヨナタンさんの演劇との関わりが、なんとなく感じられるものでした。
他の曲はよりドラマチックな演奏となっていますが、その中で「Hareshut」は「traditional Jewish-Yemenite」とクレジットされています。イエメンのユダヤ人に伝わる曲とのことですが、激動の歴史のイエメン、そこに暮らしていたユダヤ人は1950年頃のイスラエルへの移送など歴史に翻弄されてきました。そんな中で多くの悲しみに出会いながらも、力強く明日を見つめる人々の姿が、この曲での演奏に込められています。オマー・アヴィタルのオードが全体を包み、各メンバーが色を添え、ヨナタンの歌も響いています。
イスラエル・ジャズマンのジャズが、この作品が登場した2006年に市民権を得たのかなと、遅れてきたイスラエル・ジャズ好きの私は思った作品です。
 

5度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 5日(土)07時56分23秒
  今日の1枚は、Third World Love の Sketch Of Tel Aviv、Smalls原盤、2005年7月の録音です。トランペット奏者のアヴィシャイ・コーエン、ベース奏者のオマー・アヴィタルなどからなるサード・ワールド・ラヴの第四作目を、今日は取り上げます。
収録曲はアヴィシャイ・コーエンとオマー・アヴィタルのそれぞれが作った曲が中心ですが、「テルアビブのあらまし」とでも訳すタイトル曲は、ピアノ奏者の Yonatan Avishai 作のものです。そこでWikipediaから彼の情報を少しばかり紹介します。
1977年にテルアビブで生まれたヨナタンは、幼い頃からピアノのレッスンを受けていたそうです。また日本に住んでいいたこともあるようです。テルアビブでミュージシャン仲間と演奏を続けていた彼は、2002年にフランスのドルドーニュに渡り音楽活動を続け、またこの年に結成されたサード・ワールド・ラヴに参加しました。このバンドでの活動で世界を渡り、ヨナタンもジャズ界で知られる存在になりました。その後はトランペット奏者のアヴィシャイ・コーエンのバンドで演奏したり、また演劇における音楽にも活動を広げていき、現在に至っています。
そんなヨナタンがメンバーのサード・ワールド・ラヴの第四作を、今日は聴いてみます。




昨日の1枚は、Eli Degibri の Twelve。
1996年にアメリカに渡ったエリ・デジブリですが、異国での活動の中で、自分の気持ちが老け込んでいくのを感じていたそうです。そんな渡米から17年後に彼は故郷に戻り、初めて録音したのが、本作のアルバム名にもなっている「Twelve」でした。(以上、ライナーノーツより)
この「Twelve」は気持ちが和んでいく演奏であり、この時のエリの気持ちがストレートに出たものなのでしょう。
本作では一曲を除いてエリ作の曲が並んでおり、人間の素直な心情を描いた曲が並んでおり、またエリの演奏と同時にそのアレンジも光っており、時には激しく時には微かにドラマを織り込んでいます。
そんな中にある「Autumn In New York」、故郷に戻ってアメリカ生活を振り返り、その土地の良さが分かってきたようなエリの姿が感じられる、穏やかな演奏になっております。
若手中心のバック陣も好演、聴きごたえある作品に仕上がっています。
 

8度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 4日(金)07時24分8秒
  今日の1枚は、Eli Degibri の Twelve、Plus Loin Music原盤、2012年12月の録音です。
「今日の1枚」では既に2450枚以上の作品を取り上げており、レーベル数だと210となります。しかし今日取り上げるエリ・デジブリの2012年録音作品を発表したPlus Loin Musicからの作品を「今日の1枚」で取り上げるのは、初めてとなります。Wikipediaにこのレーベルのページがありますので、そこから引用して紹介します。
フランスのこのジャズ専門レーベルは、Nocturneの共同設立者であったYann Martinにより、2007年に設立されました。若いアーティストを支えていき、またNocturneの版権を買い取るなどを行なってきたレーベルですが、AbeilleMusiqueと2012年に合併し、Plus Loin Musicというレーベルは2013年に姿を消したとのことです。
エリ・デジブリのこの作品の発売は2013年ですので、もしかしたらPlus Loin Musicとしての最後の作品かもしれません。Gadi Lehavi(p), Barak Mori(b), そして Ofri Nehemya(d)との、カルテットでの演奏で、曲によりヴォーカルが入っている作品です。






昨日の1枚は、Daniel Zamir の I Belive。
ザミール節が目一杯詰まった10曲の演奏、胸に迫ってくる演奏の63分です。ある意味では「同じような」演奏が続くため、聴く側に飽きがくるものですが、飽きさせる隙間を与えていない圧巻の演奏となっています。そしてそれはザミールの個性にピッタリとハマった、リズム人の切れ味の良い縦揺れによるものであり、また冷めた中の優しさを感じるウリのピアノにもよるものでしょう。
私が観た2015年のライブでも演っていた(であろう)「Nine Minute (or so) Chabad nigun」でのスピード感の8分、そしてライナーノーツでザミールが「a very natural and spontaneous way」に演奏できたと述べている郷愁たっぷりのタイトル曲での3分間、この最後の二曲だけでもこの作品の存在価値があると言えるのでしょう。
ライナーノーツには「創世記」から三つの引用が記されています。そちらの方がベースにある人ならば、もっとこの作品の意味合いを感じ取れるかなと思いながらも、音楽にはそれを超えたパワーがあることも実感しながら本作を聴き終えました。
 

7度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 3日(木)07時22分46秒
  今日の1枚は、Daniel Zamir の I Belive、Tzadik原盤、2008年1月の録音です。
ダニエル・ザミールの2008年録音作品ですが、メンバーは次の通りです。Uri Caine(p), Greg Cohen(b), Joey Baron(d)の三人との演奏です。
ここで注目すべきは、ピアノのウリ・ケインでしょう。私は彼の作品には馴染みが薄く、「今日の1枚」では1997年録音作品(2016/9/10)を1枚取り上げただけです。その際にはネット上に彼の経歴などは見つけられませんでしたが、今ではWikipediaに彼のページがあります。それによればウリ・ケインは1956年にアメリカに生まれ、1981年からプロ活動を始めました。その活動はジャズだけではなく、クラシックにも及んでおり、マーラーへの造詣も深くドイツのマーラー協会からの受賞もあるほどです。そしてその活動の中に、1993年からのクレズマーへの関わりもあり、また2000年代に入るとジョン・ゾーンとも活動をしておりました。
その意味ではウリ・ケインがダニエル・ザミールと演奏するのも、自然の流れなのでしょう。ザミールは本作品では、ソプラノ・サックスだけの演奏となっています。また本作は、ジョン・ゾーンがプロデュースしています。




昨日の1枚は、Avishai Cohen の The Trumpet Player。
オーネット・コールマンの衝撃作「Tomorrow Is The Question」にある「Giggin'」は、アルバムの中で目立つ曲とは言えませんが、その曲名の意味通りに「激しさ」に軽快感を加えた内容です。アヴィシャイは本作でこの曲を取り上げており、リズムの激しさの中で刺激的なトランペット演奏をしています。ピアノレス編成をうまく活かした演奏が、印象的です。
コルトレーンの「Transition」というアルバムは、コルトレーンのリーダー作は20枚ほど持っていれば良いや、との方には縁の無い作品でしょう。コルトレーン没後の1970年に発売されたもので、注目度は低い作品です。しかしながらこのアルバムに愛着を抱いている方々も多く、私もそんな端くれの一人です。愛着を抱く理由はそれそれですが、美しいバラッド「Dear Load」の存在は、その理由の大きな一つと言えます。アヴィシャイは本作でこの曲を、美しさを儚さの中に見出すような演奏をしています。コルトレーンのそれではマッコイの役割を、アヴィシャイはベースの弓弾きに置き換えています。
本作品を改めて聴き直すと、アヴィシャイさんはこの「刺激さ」と「儚さの美」をテーマにしての、曲作りと演奏を行っていると感じました。彼のとってコルトレーンとコールマンは、アイドルなのでしょう。そして「Giggin'」と「Dear Load」は、彼が愛してやまない曲なのでしょう。「私は大好きなこの世界を表現していくトランペット奏者になる」とのアヴィシャイさんの強い気持ちを感じる、初リーダー作品です。
 

8度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 2日(水)07時06分0秒
  今日の1枚は、Avishai Cohen の The Trumpet Player、Fresh Sound原盤、2001年11月の録音です。
コーエン三兄妹のアヴィシャイ・コーエン、トランペット奏者のアヴィシャイ・コーエンの、初リーダー作です。録音は2001年ですが、フレッシュ・サウンドのニュー・タレント・シリーズとして発売されたのは2003年の事でした。John Sullivan(b) と Jeff Ballard(d)とのトリオでの演奏ですが、七曲中三曲に Joel Frahm(ts) が参加しています。アヴィシャイの自作の曲が並んでいますが、コルトレーンとオーネット・コールマンの曲が一曲づつ演奏されています。
ジャケットの写真が気になります。キッチンでトランペットを分解清掃しているアヴィシャイの姿があり、トランペット本体はシンクに立てられています。自宅アパートでのシーンかと思いますが、内ジャケにある写真を見ればお店のキッチンのようです。NYでの録音なのでNYのお店かと思いますが、タイル壁にある電源口からすればイスラエルかもしれません。またここはライブを行うお店で、出番前に楽器のお手入れなのかもしれません。
さて演奏を聴いてみます。




昨日の1枚は、3 Cohens の Family、Anzic原盤、2011年の録音です。
1930年代、1940年代のアメリカのジャズの様子を、彼らの見事なアレンジで表現している姿が素敵でした。またその後のジャズの姿も散りばめられており、この三兄弟がテルアビブでジャズを勉強していた幼少期に、演奏技術だけではなく、ジャズの歴史も学んでいたことが分かる内容でした。またこのことが三人のプロ活動の土台になっていたことでしょう。ジョン・ヘンドリックスの歌が聴ける二曲も、楽しめるものです。
そんな中で、アビシャイ作のタイトル曲がモノ悲しく響いていました。おそらくはイスラエルの常に揺れ動いている中のことを、表現しているのでしょう。「家族」とはもちろんコーエン一家であり、またユダヤ人の辛い歴史も込めた曲名かと思いました。
ただしこのタイトル曲が決してアルバムの中で浮くことがないのは、流石の作品作りだと感心しながら聴き終えました。
 

8度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月 1日(火)07時21分49秒
  今日の1枚は、3 Cohens の Family、Anzic原盤、2011年の録音です。
このジャケを見れば、コーエン三兄妹の中でアナットさんが真ん中というのが分かります。
先に三兄妹の2006年作品を取り上げましたが、今回は2011年にブルックリンで吹き込まれた作品を聴いてみます。
メンバーですが、ピアノにアーロン・ゴールドバーグは2006年と同様ですが、ベースはMatt Penman、ドラムはGregory Hutchinsonとなっています。そして二曲に歌手のジョン・ヘンドリックスが参加しています。コーエン三兄妹は2010年にブラジルでジョン・ヘンドリックスに出会い、それがこの作品での共演につながったとのことです。
ユヴァルとアヴィシャイ作の曲にエリントンのナンバーなどが並んでいる作品です。
 

7度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月30日(月)07時32分18秒
  19610523-15
Greensleeves (Traditional from England)
(10分53秒)


【この曲、この演奏】
再び「グリーンスリーヴス」の演奏を行った理由は分かりませんが、参加メンバーは同じままで演奏し、3回目のテイクで演奏が完走となっています。
最初の時よりも気持ちゆったりテンポで演奏されており、重量感が増しています。
どちらをA(S)-6に収録するかについての背景も各資料に見当たりませんが、ここでの演奏は1974年にAS9273(Africa Brass Sessions, Vol.2)として世に出ました。





【エピソード、インパルスの成り立ち】
impulse! が正しい表記である。感嘆符、エクスクラメーション・ポイントが付くのだ。最初の小文字のアイの上の点、最後のエクスクラメーション・ポイントの下の点、スーパースクリプト・ドットをオレンジ、そしてこの二つの縦棒を黒、それ以外のスペルはオレンジとのデザインだ。さらにその上に、小文字のアイとエクスクラメーション・ポイントと並べて、インパルスのロゴとしている。レコードの背表紙のオレンジと黒と共に、インパルスのロゴは印象的なものである。
母体となるのは、1943年設立のテレビ会社 ABC(American Broadcasting Company)である。
1950年代初頭、アメリカのエンターテイメント業界は独禁法に関する連邦裁の判決に揺れていた。その渦中でABCは、テレビ界最大手NBCから別れることになった姉妹局のブルー・ネットワークを買収した。さらに独立したパラマウント・シスターズと合併し、ABCパラマウントが1955年に設立された。そして音楽部門を立ち上げることになり、Am - Par レコード社を設立し、その自社レーベルとしてABCパラマウント・レーベルが生まれたのだ。その後にジャズ部門を立ち上げることになり、インパルス・レコードが1960年に設立されたのだ。
アーチー・シェップは「インパルスにアイデンティティがあったとすれば、おれが思うにそれはコルトレーンによって作られたものだね」と語っているが、1961年から亡くなる1967年までコルトレーンはインパルスに所属し、多くの作品を世に残したのだった。
(以上は資料13からの引用だが、一部にウィキペディアからの引用を含む)
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月29日(日)07時26分0秒
  19610523-12
Song Of The Underground Railroad (Traditional)
(6分44秒)


【この曲、この演奏】
この曲名についての解説が、資料05にある。
曲名にある「アンダーグランド・レイルロード」とは地下鉄のことではなく、白人のクエーカー教徒らを中心にした地下組織が、奴隷解放のために定めた「秘密のルート」さす。一九世紀、劣悪な衣食住環境と過酷な労働とに耐えかね、多くの黒人が南部から北部の街へ逃れていった。彼らの逃亡を助ける地下組織は各地に拠点をもっており、それを結ぶルートは「アンダーグランド・レイルロード」と呼ばれていた。
インパルスのセッション記録を見ると、この曲は当初、「フォロウ・ザ・ドリンキン・ゴード(北斗七星をたどれ)」というタイトルにする予定であった。逃亡する黒人たちは、夜陰にまぎれ、北斗七星の輝きを頼りに北へ向かった。「北斗七星をたどれ」という曲名は、そのことを暗示している。
嗅覚に優れた犬を使う追ってを撹乱するため、逃亡奴隷は胡椒を撒き、小川やクリークの中をたどって匂いを分断した。捕らえられれば引き戻され、見せしめのリンチが待っている。運良く逃げとおせても、その首には懸賞金がかけられ、生かすも殺すも、これを捕えた者の裁量に任された。たどり着いたオハイオ川の北岸シンシナティ、リプリー、ポーツマスといった街には、逃れてきた黒人たちの受け入れ拠点があったが、一八五〇年に強化された「逃亡奴隷法」以降は、さらに北のカナダへ逃れなくてはならなくなった。南部に生まれ、北部フィラデルフィアを第二の故郷とするコルトレーンは、学校だけでなく、牧師であった祖父からも学んで、そうした奴隷の歴史、すなわち自分のルーツを熟知していた。

さて演奏ですが、重量感あるアップテンポでの演奏になっており、コルトレーンのテナー・サックスの迫力を味わえるものです。そこにエルヴィンとマッコイの執念のような演奏、さらに効果的なブラスのアレンジが加わっています。なおこの曲のアレンジはコルトレーンです。
資料05にある歴史的背景を日本人に理解しろとは無理な話ですが、黒人の思いのごく僅かは想像できるものです。その上で本演奏を聴き直すと、この演奏のスピード感は、何とか逃げ出したいとの奴隷に思い、なんとか逃げ切りたいとの黒人の祈りが込められているようです。
本セッションだけのこの曲の演奏記録となる本演奏は、1974年にAS9273(Africa Brass Sessions, Vol.2)として世に出ました。



【エピソード、インパルスとの契約】
資料01
一九六一年、ジョン・コルトレーンはインパルス・レコード社と最初の契約を結んだ。契約は、ショー・エージェンシー、ハロルド・ラヴェット、インパルスの社長ラリー・ニュートン、それにもちろんコルトレーンの四者が、多角的な協議を重ねた結果、締結された。コルトレーンのアトランティックとの契約は切れる直前だったし、彼はもう再契約はしないつもりでいたのだ。そしてインパルスとの契約の手続きが完了した時、ジョン・コルトレーンは、ついにマイルス・デイヴィスに次ぐ(黒人)ジャズ界の最高額レコーディング・アーティストとなったのである。
それは一年契約で、一年毎の随意契約が二回ついていた。だがこれは、トレーンのうなぎのぼりの人気上昇を考えれば、実質的には三年契約と同じことだった。そして一年に最低二枚のアルバムを作ればよかったのだ。契約の前金は、総額五万ドルで、初年度に一万ドル、そして二年目と三年目に各二万ドルずつ支払うという条件だった。しかし一時に多額の前金が収入となると、かなり税金にくわれてしまうのでそれを防ぐため、コルトレーンは一年に一万ドル、それも四回に分けて一回二千五〇〇ドルずつ受け取っていた。いずれにせよ、残金は三年の契約が終了した時点で彼のふところに入ってくるのだ。
コルトレーンは契約の中に、グラフィック・デザイン、レイアウト、パッケージ等、レコード・アルバムそのものの制作に目を通し、点検するという一項を入れていた。パッケージが特にコルトレーンの興味をそそった。


次に資料13にある契約に話を抜粋してみる。
インパルスのプロデューサーのクリード・テイラー については別に詳しく述べるとして、コルトレーンのインパルスとの契約は、テイラーが1960年秋のコルトレーンのライブに触発されてコルトレーンにかけた電話をかけ、インパルスでレコードを作る気はないかと訊いたことが始まりだった。
当初インパルス側の考えは、アトランティックからのコルトレーンの「貸し出し」であった。コルトレーンがプレスティッジ在籍時にブルーノートに貸し出され、つまり単発契約を結んで「ブルー・トレイン」を制作したのと同じことであった。
しかしコルトレーンが求めてきたのは、特別待遇でのインパルスとの専属契約であった。このことについて、ビル・カプランは次のように語っている。
アトランティックで傑作をいくつも世に出した今、特別扱いされてもいいだろうとコルトレーンは思っていたのではないかな。代理人を務めるショウ・エージェンシーはそう感じていた。レコードの売上にしても人気にしても、レイ・チャールズほどではなかったのだけれど、コルトレーン自身はレイの待遇と同じような特別待遇が自分にも適用されるべきだと思っていたんだ。
それでジョンがやってきたんだ。彼の希望する契約がどんなものかはわかっていた。レイと同じ移籍金を要求されることはなく、マスターテープについても、会社が所有するのが当然とされていた。だけど、契約内容はレイのときの骨子を下敷きに作られたんだ。
クリード・テイラー は「こちらはただコルトレーンに来て欲しかった。それが全てさ」と語っており、インパルス側は初年度は前金として1万ドル、これに2年のオプションがつき、年間2万まで上がることになっていた。
カプランはさらにこう語っている。
こちらはコルトレーンをアトランティック から引き抜いたわけじゃない。彼の方からやってきたんだ。
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月28日(土)07時37分17秒
  19610523-10
Greensleeves (Traditional from England)
(9分59秒)



【この曲、この演奏】
この曲はイングランドの古い民謡で、コルトレーンが本セッションで取り上げた以降、ケニー・バレルやレイ・ブライアントなどが取り上げ、ジャズ・チューンとなりました。(資料14)
エリザベス王朝の時に誕生したとされていて、1580年の記録にこの曲があるようです。作者については諸説あり、ヘンリー8世だとの説もあるようです。この歌は口頭伝承で受け継がれ、17世紀にはイングランドの誰もが知っている曲となったとのことです。(ウィキペディア)
「年3枚のレコードを作らなきゃならないんだよ。次のマイ・フェイヴァリット・シングルスになるような曲を探し回ってるんだ」とコルトレーンは評論家に語っており、タイナーがこの曲を持ってきたそうです。コルトレーンはこの曲については「マイ・フェイヴァリット・シングルスに似ていた」と語り、ここでの演奏については「バックがメジャーからマイナーに変わることもないので、あまりメリハリが出せなかったけど、テンポがいいときは、いい感じになっている」と語っています。(資料13)
なおここでのアレンジは、マッコイ・タイナーがおこないました。
この曲のコルトレーンの演奏記録は、資料07によれば7回ほどあります。スタジオ録音では、この年の12月21日に黄金カルテットでアルバム「バラッド」用のセッションを行った際に。この曲を取り上げました。そこでの演奏はシングル盤での発売となったので、この存在を知らない方も多かったようですが、後にCDで再び世に出まして、多くの方の知る存在となりました。また資料09の情報では、キングの企画盤「ジョン・コルトレーンの遺産」(SR-3026-8)の付録として発売されたことがあるようです。
ライブではこの年の3月のシカゴのサザーン・ホテルでも取り上げられいますが、有名どころはもちろん、この年の11月の黄金カルテットにドルフィーが加わってのヴァンガードでのライブとなります。
さて演奏ですが、ソプラノのコルトレーンの深みある演奏が、気軽に口ずさめるこのメロディに、ジャズの息吹を与えています。それと並んで光るのは、マッコイの存在です。彼のピアノ・ソロは無論のこと、ホーンでのアンサンブルを決して多用せず、しかしながら効果的な使い方をしております。
本セッションで10 回目のこのテイクは、A(S)-6として1961年9月1日に、アルバム「アフリカ/ブラス」で世に出ました。




「エピソード、本セッション】
コルトレーンのインパルス最初のセッション、そして初の自身でのオーケストラ演奏となる本セッションについて、各資料の記述を引用する。

資料01
「アフリカ」は、アフリカ音楽のリズムとインド音楽のラーガにヒントを得た曲である。「グリーンスリーヴス」と「ブルース・マイナー」の二つの曲は、まだコンベンショナルなやり方で、特に後者は深く心に響く、例の「叫ぶ」旋律によって、コルトレーンの本質が最も良く出ているものだと言えるだろう。

資料03
「アフリカ/ブラス」は、実際にそれまでとは異なったサウンドが披露されている。コルトレーンのサウンドがここまでエコーがかかったものになったのは初めてであった。十八人のミュージシャンが参加したブラス・アンサンブルは重厚であり、奥行きを感じさせる。これはコルトレーンの集団音楽、どこか異様な雰囲気をたたえた大規模作品の先駆けになったアルバムである。

資料04
1962年11月17日、パリでのジャン・クルーゼのインタヴューより。
(このアフリカ/ブラスを例に、ビッグ・バンドにおいてソロと伴奏のどちらを重視するかとの問いに対する、コルトレーンの返答)
今はもう、君が言うような「ソロイストのバンド」という表現形式を求めていない。その方面ではもう何度も実験を行った。そういうプレイは時に見返りも大きく、満足感もたっぷり得られるが、今はそれをやるつもりはない。「アフリカ/ブラス」について言えば、立脚点が異なっていた。あれは、ビッグバンドがサポートするカルテット、というコンセプトだったんだ。私たちはマッコイがピアノで弾くはずだったフレーズを拝借して、バンド用にアレンジした。バンド全体を、伴奏をプレイする”一つの巨大ピアノ”と化したんだ。

資料05
ブラス部門のリハーサルは午後から深夜にまで及び、コルトレーン・バンドが到着した真夜中から全員揃ってレコーディングが開始された。
 

12度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月27日(金)06時42分49秒
  19610525-14
Original Untitled Ballad (To Her Ladyship)  (Billy Frazier)
(8分58秒)



【この曲、この演奏】
曲名について資料07には、「LP発売されるまで正しい曲名が分からなく、Original Untitled Balladとしていた」とあります。ただしこの記述では何故に「Original」としたのかが、わかりません。とにかく、この曲のコルトレーンの演奏記録は、本セッションだけです。
さて演奏ですが、コルトレーンはソプラノとテナー・サックスを使っています。哀しさ溢れるこのバラッドのテーマ、先ずはドルフィーのフルート、次にコルトレーンのソプラノ、そしてハバードのトランペットと引き継がれ演奏されています。1分43秒からコルトレーンのソプラノが再び登場しまだテーマの続きかと思わせますが、ソロへとの突入です。そのソロは、トランペット、フルート、ピアノへと続きます。そして後テーマですがここでもフルートが先陣を切り、コルトレーンのテナー、そしてトランペットへ続き、そして三管の重なりで演奏の終了を迎えます。
ドルフィーとハバードは純粋にこのバラッドに心捧げての演奏ですが、コルトレーンにはソプラノでのバラッド演奏への模索のようなものが感じられます。
資料07に、「1分43秒でサキソフォンの音がやかましくなる(squawk)」とあり、これは「it was not originally issued」だからとあります。これは意識して聴けば、なるほどと感じる程度のものです。



【エピソード、レジー・ワークマン】
正確にはこの二日前のインパルスのセッションからだが、レコーディングにレジー・ワークマンが参加している。資料01にあるワークマンに関する記述を引用する。
ジョン・コルトレーンは、パーソナルとプロフェッショナルの両方の理由で、他のミュージシャンの演奏にいつも関心を持っていた。一九六〇年の終わり頃、コルトレーンは、いまはなくなったヴィレッジのあるクラブで、ベースのレジー・ワークマンとドラムスのロイ・ヘインズをもっぱら聴いていた。彼はヘインズがバードのところにいた時によく聴いたことがあったし、ワークマンのことはフィラデルフィア時代から知っていた。スティーヴ・デイヴィスの回想によれば「レジーは実にうまくなっていた。彼はぼくより力強くなりつつあり、そのうえ攻めの演奏ができた。いろんな人がジョンに、ぼくのベースが聴こえないと告げ口しているのは知っていた。それがジョンの決断にどれほど影響を与えたか、ぼくにはわからない」
だが、デイヴィスにもはっきりわかる日がくる。翌年のはじめ頃、四重奏団がクエーカー・シティでした最後の夜、ジョンはデイヴィスの肩を抱くようにしながらこう言った。「スティーヴ、ちょっと気分を変えてみたいんだ。そこで、君にどうしても承知してもらいたいことがある。どうしてもだ」
こうして、スティーヴ・デイヴィスは去った。
そしてレジー・ワークマンが入団した。
 

10度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月26日(木)07時31分1秒
  さてタイリーさんの「イス ジャケ」作品。
女性のいるお店で綺麗に楽しく遊ぶ方は、昼もスマートに仕事をするものです。ジャケではこの男性が女性から好かれていることがうかがえ、演奏からは周囲の方から支持を集めるであろう素敵な落ち着いた楽しさを感じました。
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月25日(水)07時00分0秒
  その前に、この作品が録音された1958年1月4日(土)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
日経「多目的では最大、有明海干拓、四月から本格調査、締切ダムも作る」
諫早湾干拓事業、着工はこの記事から31年後の1989年、完成は2007年のことでした。そして訴訟沙汰になり、開門判決が出て、それを覆す判決が出て、現在でも決着がついていません。

読売「時期下旬に決定、岸首相記者会見、一月解散行えば、韓国へ特使派遣考慮」
この一月の解散はなく、四月二五日の「話し合い解散」となりました。

朝日「南極点に到達、ヒラリー隊、人類三度目の偉業、総勢五人、車を酷使し強行軍」
ニュージーランド隊を率いたエドモンド・ヒラリー氏は、「そこに山があるから」との言葉で有名ですが、これは誤訳とのことです。「なぜエベレストに登るのか?」の質問に「そこにエベレストがあるから」と答えたそうです。(Wikipediaより)



ではこの1月4日の朝日新聞から少しばかり紹介します。
・8面に「日大が連続優勝、箱根駅伝、全コース記録更新、二位中大、三位教大」の見出しが、ゴールでの写真と共にあります。三位の教大は東京教育大学のことです。
・TV面下には東芝の広告があり、「家庭電気器具」を宣伝しています。電気釜6合が3200円、トランジスタラジオが8900円、14型テレビは73000円、そして洗たく機が23000円となっています。さて電気釜、炊飯器ですが6合と共に1升のもあり、この時期はまだまだ核家族化になっていないことがうかがえます。
・TV欄、三局共に洋画を放送しています。NHKは13:00から「スミス探偵の休暇」、日テレは15:20から「二人の億万長者」、そしてKRテレビは17:25から「ボンバー」です。この三本の映画ですが、どれもネット上に情報がありませんでした。
 

12度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月24日(火)06時50分25秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「イス ジャケ」です。


「イス ジャケ」作品の50枚目は、Tyree Glenn の Let's Have a Ball、1958年1月4日の録音とします。(年はネットからの情報、月日は決め付け)
この作品は「Like Someone In Love が収録されている作品をつまみ食い」で取り上げたので、イスでのつまみ食いを避けようと思いましたが、回転式カウンターチェアのジャケットは珍しく、またそれが実に似合うジャケなので、「つまみ食い」二度目の登場となりました。
2005年4月1日に「今日の1枚」で取り上げたさいの私の感想は、なんとか内容が伝わるもの。しかし2018年8月につまみ食いした際の私の感想は、何を言いたいのかサッパリ分からないものでした。
今回のつまみ食いでは、わかりやすい言葉で簡潔に感想を書きたいものです。
 

13度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月23日(月)05時54分35秒
  さてジーンさんの「イス ジャケ」作品。
ミュージカルで活動できる歌手とは思えませんが、場を楽しませる歌手といえうるのでしょうけれど、それも内輪のパーディが精一杯という感じでしょう。
ベースと二人での「Makin' Whoopee」では「祭りの後の寂しさ」の雰囲気があり、楽しめました。
 

9度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月22日(日)07時04分40秒
  その前に、この作品が録音された2001年4月20日(金)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
日経「2010年商業化へ開発着手、海底の氷状メタン燃料、日本近海で採掘、エネルギー自給向上、経済産業省」
この記事から20年近くの現在でも、これには期待されているようですが、実現には至っていません。なお日本のエネルギー自給率は9.6%(2017年)、関係ありませんが食糧自給率はカロリーベースで38%(2019年)とのことです。

読売「李登輝氏 ビザ発給決定、病気治療に限る、政府条件付き、民間人を考慮」

朝日「李前総統にビザ発給へ、政府、医療目的に限定、首相意向を外相了承」

この月に李登輝氏は心臓治療目的で、岡山県倉敷市を訪問したとのことです。




ではこの4月20日の朝日新聞から少しばかり紹介します。
・3面 総合面に「家庭の電圧200ボルト化提言、重電各社、送電ロス抑え 省エネに」との見出し記事があります。1%の節約になるとのことです。
・25面にダイア建設の広告があり、「横浜・戸塚にいよいよ登場」として「ダイア パレス ワンダースケープ」との集合住宅を宣伝しており、2LDK 76平米で2600万円台とのことです。
このダイア建設は2003年にはレオパレス21の傘下になり、2008年には大和地所の子会社になりました。ちなみにネットで不動産情報を見たところ、ダイア パレス ワンダースケープの76平米物件が2090万円で販売されていました。人気物件のようです。
・TV欄 NHK教育 23:00から「金曜フォーラム」との番組があり、この日は「テレビゲームの将来を考える」とのテーマです。海外ではビデオゲームとの名称使用が多いのですが、日本では今でもテレビゲームとの名称が使用されています。
 

18度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月21日(土)06時05分59秒
  「今日の1枚からつまみ食い」、今回のテーマは「イス ジャケ」です。


「イス ジャケ」作品の49枚目は、Jeanne Gies の Mad About The Boy、2001年4月20日の録音です。
大塚家具では120万円ほどで販売しているような豪華なソファーが、ジャケットに写っています。そしてそこにはベースが寝そべっています。もちろん主役は正面に写っているジーン・ギィースさんですが、私にはソファーに寝転ぶベースに、強い存在感を感じます。
本作品を「今日の1枚」で取り上げたにおは、2004年11月20日のことでした。その際には「時折訪れる音域の壁を表現力でカバーしようとするが、無理を感じる。暖かい歌声だが、個性が感じられない。ホテルのラウンジで歌っている分には、仕事がそれなりに入る歌手と言えよう」と、私は感想を述べました。
それから16年後の今、彼女の情報を得ようと試み、彼女のと思われるフェイスブックのアカウントを見つけましたが、それはだいぶ古いもののようです。そこに彼女の名前を使ったwebページが記載されていますが、今では使われていないドメインでした。また自己紹介欄には、「ミュージカルを愛し、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、そしてブラジルで活動している」とあります。
今回のつまみ食いでは、ベースの存在感とジーンさんのミュージカルへの愛情が重なった瞬間を感じたいと願っています。
 

22度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月20日(金)07時44分59秒
  さてパトリシアさんの「イス ジャケ」作品。
この作品を覆っている空気感、低音の揺れと流れが、私に心地よく響きました。ベースとギターの弦が弾かれ、そして余韻が広がる中で、パトリシアさんの低音を活かした歌声が流れていき、いくつものスタンダードをパトリシア色で染めていきます。私好みの作品です。彼女のピアノ演奏と、ブラシ中心のドラムも、この作品を支えていますね。
さて彼女のWebページを見ますと、アルバムをコンスタントに発表しており、元気に活動されているようです。またシカゴのお店や小規模なイベントを中心に、ライブ活動をしているとのことです。それはそれで素敵なことなのでしょう。
本作の充実具合に満足しているかのようなジャケのパトリシアさんのお顔、素敵に見えます。
 

15度

 投稿者:マハール  投稿日:2020年11月19日(木)07時39分0秒
  その前に、この作品が録音された2000年5月15日(月)の新聞を見てみましょう。
先ずはトップ記事。
日経「銀行買収に行政拒否権、大蔵省など法改正検討、異業種の参入、健全性を確保」
この件が実現したのか、ネット調べでは分かりませんでした。

読売「小渕前首相死去、緊急入院から43日、62歳、経済再生に尽力」

朝日「小渕前首相が死去、青木長官説明 医師が疑問視、62歳、入院から43日目」

現役総理が4月2日に倒れ、病床で青木長官に「後を頼む」と言ったと青木長官が説明、これに医師は大いに疑問視しておりました。自称 後を頼まれた青木長官が首相臨時代理として内閣総辞職を決め、なんやかんやよく分からない中で森首相が4月5日に誕生しました。
小渕前首相は5月14日の16時7分に亡くなりました。






ではこの5月15日の読売新聞から少しばかり紹介します。
・6面 国際面に「香港、大気汚染進む、健康状態に悪影響、3ヶ月で7日間、ディズニー社からも苦情」との見出し記事があり、その理由として、香港の交通量急増と、中国南部の急激な発展をあげています。
この当時に日本でどんな業種に従事していた方でも、華南地区の急速な工業の発展を実感していたと思います。私はこの記事の前後に二回、計6年間に渡り香港に駐在していました。その経験から、もう一つの理由が挙げられます。それは埋め立てをし集合住宅などの高層建物を作り続け、それにより既存の地区の空気の流れが滞留し、また陽当たりが悪くなったことです。
・35面 社会面したの興行広告に「ソニー・ロリンズ、ジャパン・ツアー2000」があり、5月27日28日に中野サンプラザ、6月16日に神奈川県民ホール、S席6000円と、宣伝しています。今でもご健在なロリンズですが、最後の日本でのコンサートは80歳記念ツアーの2010年でした。
・TV欄、報道番組の実際の報道は小渕前首相死去一色だったのでしょうけど、番組欄としては差し替えが間に合っていない報道番組が多くありました。
 

/105