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 投稿者:マハール  投稿日:2020年12月30日(水)06時56分43秒
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  19610607-05
Africa (John Coltrane)
(16分30秒)



【この曲、この演奏】
この曲の演奏に関連する記述が、資料03にあります。
初めてコルトレーンは、一曲全体を通して一つのモードで演奏できることを示した。その年の初頭、コルトレーンは聴く音楽の範囲を広げ、クラシック音楽だけでなく、民族音楽や外国の伝統的な音楽、アメリカ黒人のスピリチュアル、フォークウェイズに吹き込まれたインド音楽のレコードまで聴くようになった。インド音楽で彼が特に注目したのは、曲が単一なモードで作られていることだ。そこで使われるキーとフレージングの様式によって色合いが決められ、個性がかたち作られる。彼は曲としての結構が整った作品を好んでいたが、この時期以降、そんな彼の性癖は変化していくことになる。
「今日のコルトレーン」でお世話になっている各資料では、この演奏について音楽用語を用いての解説がいくつかありますが、聴き専の私にとっては、この演奏としっくりくる記述はこの資料03でした。
二日間のセッションで何度も演奏されたこの曲の最後のテイクであるこの演奏は、1961年9月1日にインパルス!から A(S)-6(Africa/Brass)として発売されました。初めてジャズファンが耳にしたインパルス!のコルトレーンは、この演奏でした。




【エピソード、クリード・テイラー その3】
インパルス!を立ち上げるクリード・テイラーは、最初に発売する四作品を相当に強力な作品とするために、次のラインナップを企画した。
A(S)-1 The Great Kai and J.J. / Kai Winding and J.J. Johnson
A(S)-2 Genius + Soul = Jazz / Ray Charles
A(S)-3 The Incredible Kai Winding Trombones / Kai Winding
A(S)-4 Out of the Cool / Gil Evans Orchestra
1961年に入りこの四枚のアルバムが発売された。(マハール注:発売月は2と4は二月となっているので、四作品同時発売だったと思う)
この四作品は順調なセールスを記録した。当然その内容からであるが、ABCパラマウントの強力な販売力と、趣向を凝らしたジャケットも、その売れ行きの理由となっていた。
これから半年後にインパルス!がA(S)-5として発売したのは、テイラーが好きだったオリヴァー・ネルソンの「ブルースの真実」で、この作品もまたインパルス!の次作を待ち望んでいたジャズファンの人気となった。
そして次の作品が、コルトレーンの「アフリカ/ブラス」である。テイラーがインパルス!の主力と考えていたコルトレーンである。そしてこれが、テイラーが制作したインパルス!最後の作品となった。
これは必然的なことでもあった。インパルス!の成功が華々しく続く限り、これを立ち上げた人間にも注目が集まる。1961年の夏が半分も終わらないうちに、そしてインパルス!がまだ設立から1年経たないうちに、クリード・テイラー はMGMからヴァーヴ・レコードの指揮を打診された。この半年前にMGMはノーマン・グランツからヴァーヴを250万ドルで買収していたのだ。(マハール注:ヴァーヴでも成功したテイラーは、1967年にCTI、Creed Taylor Issueを立ち上げた)
インパルス!が成功した理由の大きな一つは、コルトレーンとの契約であった。この点に関してテイラーは次のように語っている。
「さて、ここは気をつけなけりゃいけない。コルトレーンがどんな男だったか、誤解させたくないんだ。いまは彼は神様のように祭られているけど、当時は世間ではまったく知られていなかった。こうなるまでには時間がかかった」
「コルトレーンはインパルス!を助けてくれたけど、インパルス!はその恩を返していないんじゃないかな。コルトレーンは立派にコルトレーンであり続けたからね」
(以上は資料13より抜粋)
 
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