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 投稿者:マハール  投稿日:2020年10月30日(金)07時17分33秒
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  19610525-05
Dahomey Dance (John Coltrane)
(10分52秒)



【この曲、この演奏】
コルトレーン作のこの曲の演奏記録は、本セッションだけです。(資料07)
資料09によればここでの演奏は、「ジャイアント・ステップス辺りでピークを迎えたシーツ・オブ・サウンドの明確な機能的奏法から、ここのフレーズ云々よりももっと印象を重視した何か神秘的なもののメタファーのようなものを導いている」とあります。この一文を私は興味深く感じました。二年間のアトランティックでの活動のコルトレーンの進化を端的な文章にしており、また私が感じながら表現できないことを上手く書いているなと思いました。
ここではテナー・サックスで演奏するコルトレーンは、テーマからソロ先発へと特別な世界観のような色合いで表現しています。その後のソロは、ハバードのトランペット、ドルフィーのアルト、そしてマッコイのピアノと続きますが、それぞれの世界を醸し出す演奏を行なっています。
タイトルの「Dahomey」とはダホメ王国のことで、現在のベナンの場所です。そこは専制軍事国家が奴隷貿易を収入源としていました。(ウィキペディアより)
アフリカ系アメリカ人の彼らにしか分からない思いを、この演奏に込めているのでしょうか。



【エピソード、事実上インパルス?】
このセッションで演奏された四曲中三曲で構成されたアルバム「オレ」は確かにアトランティックの作品だが、私にはインパルスの作品との印象で今でもいる。
アトランティックとの契約は三月末までだったのでしょうが、この五月の録音となった理由については、私がこの「今日のコルトレーン」で参考にしている各資料には記述がない。しかしそのことで、コルトレーンのインパルスでの最初の活動である「アフリカ/ブラス」の吹き込み二日間の間に本セッションが行われた。そのメンバーの編成は、管楽器を何本も用いて、ベースを二人にしたりと、「アフリカ/ブラス」での手法の小型版が本セッションと言えよう。その編成から得られた効果は、これまでのアトランティック時代にはないものだ。
次に録音スタジオであるが、これまでのセッションではアトランティックのスタジオで行われていたが、このセッションではA&Rスタジオで行われており、また録音技師もトム・ダウドではなくフィル・ラモーンである。A&Rスタジオもフィル・ラモーンもインパルスとは関係はないが、アトランティックとも関係があるわけではない。
スーパーバイザーとして今まで通りにネスヒ・アーテガンがクレジットされているが、特段何もしなかったのではと思う。
すでにインパルスのコルトレーンが、アトランティックとの契約履行のための本セッションであるのであろうが、その内容には一聴の価値が十分あるものだ。
 
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