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 投稿者:マハール  投稿日:2019年 1月10日(木)07時07分24秒
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  今日のコルトレーン

19560511-01
In Your Own Sweet Way (Dave Brubeck)
(5分45秒)

【この曲、この演奏】
資料06によれば、コルトレーンのこの曲の演奏記録は2回あります。本作の後には、マイルス・グループでのカフェ・ボヘミアでの1958年5月3日のライブが私家録音で残っているとのことです。更にはコルトレーンは演奏に加わっていないものの、1960年10月24日に行ったアトランティックでのスタジオ録音で、リズム・セクションだけでこの曲が演奏されました。この日のコルトレーン・リーダー・セッションは、午後と夜の2回に渡り行われました。「コルトレーンズ・サウンド」などのアルバムに収録された午後の部のセッションの最後の2曲、「Lazy Bird」と本曲が主役コルトレーン抜きで演奏されたのです。そしてこの2曲はオリジナル・アルバムに含まれていないどころか、今に至るまで発売されたことの無い音源です。
マイルスの本曲に演奏は多数あるかと思いながら資料08で調べたのですが、それは3回でした。本セッションの二ヶ月前にロリンズを入れたプレスティッジでのセッション、他の2回はコルトレーンとのものでした。
この曲は西海岸の大物ジャズ・ピアニストのデイブ・ブルーベックが作った曲で、多くのジャズ・マンに愛されている曲です。惹きつけられる優しい気分のバラッドであり、ピアニストでは作者本人以外にも、エヴァンスやケニー・ドリューなどに名演が残されています。ホーン奏者にも人気の曲で、ウッズやドーハムに素敵な演奏があり、このセッションのマイルスはその中でも高い人気のあるものです。
バラッドをミュート・トランペット、これは正にマイルスの十八番であり、ここでの演奏もこの曲の持つ誘い込まれるようなメロディを素敵に演奏しています。そんなテーマの最後にコルトレーンがテナー・サックスを被せ、マイルスが「決めたれ」とコルトレーンを鼓舞するように吹いて、コルトレーンのソロに移ります。それは何と3分も続き、可愛らしさが魅力的な女性の前で精一杯の強がりを見せる男性の心情を披露するような演奏を聴かせてくれます。この後は再びマイルスがミュートでテーマを決めて、演奏が終わります。
マイルスは何度もこの曲を取り上げていると思ったのですが、3回だけとは不思議な気分です。


【エピソード、少年時代に関心を寄せたもの】
資料01からいくつかエピソードを。
ハイ・ポイント時代のコルトレーン少年には、ニック・ネームは無かったとのこと。当時、仲がの良かったブラウアーとキンザーにはニック・ネームがあった。ある日、ブラウアーはコルトレーンだけに彼が夢中になっていた「ドック・サベージ」という漫画を見せた。主役のドック・サベージは「長身で金髪の北欧系の男で、警察が解決できない、或いは解決しようとしない犯罪事件を手がける組織のボスで、いつも悪党どもに天罰を下すことに忙しく、女のことにまったくかまわないハードな男」とのことである。ブラウアーとコルトレーンは、家でも学校でも、昼でも夜でも、この漫画を読みふけっていたとのこと。
ヒーローに自分を同一化するのは、古今東西同じことなのでしょうが、コルトレーンは白人の主人公にどのような感情移入していたのか、気になることである。このエピソードを知り私は、自分が信じる道に邁進する姿に、コルトレーンは強い関心を抱いたと感じた。
 
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