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 投稿者:マハール  投稿日:2018年10月 8日(月)09時12分52秒
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  今日の1枚は、Steve Lacy の The Flame、Soul Note原盤、1982年1月の録音です。
ソプラノ・サックス奏者のスティーブ・レイシーの作品を「今日の1枚」で取り上げるのは、これで5枚目になります。しかしながら前に取り上げた4枚は、1950,60年代のものでした。私は何故だか、1970年代以降のレイシーさんを避けていた所がありました。
ウィキペディアによれば、レイシーのリーダー作はコ・リーダー作品も含まれば80枚以上になります。その中で1970年代以降のものは8割以上が占めております。思い起こせば、渋谷のジャズ盤専門店に毎週のように通っていた1980年代から1990年代初めまで、新譜コーナーにレイシーさんの作品をよく見かけておりました。
パッケージメディア 一筋の私ですが、世の中では10年以上前からネットから音楽を入手することがメインとなりました。そして10年近く前から各レコード会社は手持ち作品の現金化を急ぎ、2つの流れが生まれました。一つは高音質を謳い文句にして、様々な形で通常より高い値段でCDを発売するもの。もう一つが廉価売り。特にドヤス箱物が多く発売されました。私はこのドヤス箱物に複雑な思いを浮かべていたのですが、それでもありがたいものもありました。例えばレイシーのソウルノート198年代の作品を6枚まとめて売られたもので、私が購入した値段は3000円ほどでした。
そんなドヤス箱に収められていたのが、本作品です。 Bobby Few(p)とDennis Charles(d)との3人での演奏となる本作品のジャケは、個人サイトではよく見かけた作品ですので、本作を支持する人は多かったのではと思います。



昨日の1枚は、Giorgio Gaslini の Murales。
「壁画」で頭に浮かぶと言えば、3つプラスワンです。1つ目は古代の壁画、洞窟の壁画です。欧州では「ラスコー洞窟」がその代表例です。2つ目は宮殿などの壁に描かれた壁画で、イタリアにはその代表例の「最後の審判」があります。3つ目が現代のもので、街中の壁に描かれたもの。工場などの壁に、若い芸術家が描いたものが多い事でしょう。プラスワンと言ったのは、この現代の街中の壁画の亜流バージョンで、許可を取らずに勝手にかいたもので、当するに落書きです。
私はオランダに出張で二ヶ月滞在していたことがあります。土日も仕事の時もあったのですが、休みの土日もあり。そんな休みの日に一人で、アムステルダム中央駅からブリュッセル中央駅まで電車旅を楽しみました。田園風景が続く中で小さな駅に近ずくと必ず教会が目に入る、そんな光景を楽しんでいました。しかし残念だったのは、田園の中の農業用建物、また駅近くの建物に、電車から目につくものには、「落書き」だらけだったのです。
しかしそんな落書き群の中に、稀に見入るものがありました。しかるべき許可を取って壁に作品を描けるような人達ではないが、自分の作品を発表する機会を探し求めて、パワーをぶつけたようなものです。もちろん褒められた行為ではありませんが、存在感のあるものであったのは事実です。
この作品に参加している4人は、録音された1970年代はイタリア・ジャズ界の重要メンバーだったのですが、タイトルの意味を意識しながら本作を聴いて行くと、落書き群の中に稀にあるパワーのある作品を意識しました。ジャズ界が混沌としていたこの1970年代に、自分たちが本当に演奏したい音楽をこのライブにぶつけ、それを自主レーベルから世に問うているような感じを受けました。
変幻するリズムの中に寛げるメロディが時折顔を出す本作の演奏は、聴き所満載のものです。また編曲でも有名であり、また現代音楽にも通じているガスリー二さんは、4人全員が効果的に演奏する構図を作り上げており、お見事なものでした。
 
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