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25度

 投稿者:マハール  投稿日:2018年 8月 9日(木)07時31分59秒
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  今日の1枚は、The Awakening の Hear, Sense And Feel、Black Jazz原盤、1972年の録音です。
ブラック・ジャズ・レーベルの最初の7枚には、録音スタジオや録音エンジニアについてクレジットされていませんでした。最後まで録音エンジニアはクレジットされないのですが、録音スタジオについては、昨日取り上げたダグ・カーンの作品からクレジットされています。ダグのはNYでの録音、今日のジ・アウェイクニングはシカゴでの録音です。その後の作品を見てみると、NYあり、LAありとなっており、レーベルとしては録音場所のこだわりはなかったようです。

BJQD/9として発売された第9弾は、ジ・アウェイクニングの作品です。例の小冊子から本作を紹介します。

ジ・アウェイクニングはヤング=ホルト・アンリミテッドのピアニストだったケン・チェイニーとシカゴ前衛ジャズ集団AACMに属するフランク・ゴードンの2人を中心に1970年代初期のシカゴで結成されたセクステット。他にも同じくAACM所属のサックス奏者、アリ・ブラウンなど、シカゴを拠点にして活動する辣腕ミュージシャンたちが参加、「俺達の本当にやりたいジャズ」に覚醒した彼らが選んだレーベルはブラック・ジャズだった。モード・ジャズに新主流派的な感覚やファンク/ソウル的なエッセンスを織り込んだサウンドは深いスピリチュアリティとブラックネスを備えている。

シカゴのイキのいい若手が集まっての演奏、どんなものなのでしょうか。


昨日の1枚は、Doug Carn の Spirit Of The New Land。
スピリチュアルな音楽、スピリチュアルな演奏、スピリチュアル・ジャズ。どれも良く使われる表現ですし、私もこの「今日の1枚」で何度もこの言葉を使ってきました。しかし、今回改めてダグ・カーンの本作を聴いて、私はこの言葉の意味をどこまで理解しているのだろうと、思いました。
ネット上でうまい解説はあるのかと思って見て見ましたが、そこにしっかりと言及しているページは見つかりませんでした。「精神の高揚を呼び覚まし、果てしない意識の深みへと誘う自由と解放の、そして慈愛と平安のしらべ」との本の解説文があり、やはりこんな感じなのかなと思ったりもしました。
確かに私を含めた多くの日本人の場合は「宗教の・・・」とのことになった場合、真に理解するのは厳しいものがあると思います。しかしながら、スピリチュアルなジャズを受け入れていないのかと言ったら、これは逆の話になります。セールス面を考えても、日本人は結構好きで聴いているのです。
なぜこんなことをだらだら書いたかといえば、インパルス後期のコルトレーンの前には、そのような演奏はありませんでした。しかしインパルス後期のコルトレーン以降には、ジャズ界においてそのような演奏が多数出てきました。
コルトレーンは、一線に出る前から宗教というよりも哲学的なことに強い関心がある人でした。またハーモニーを軸とした音楽理論も、常に貪欲に追求していた人でした。そのことを突き詰めていく流れの中で、インパルス後期の演奏に繋がったて行ったのです。従ってその音楽は当然ながらコルトレーンの個性の塊と言えるでしょう。
コルトレーン以降の「そのような音楽」には、コルトレーンが到達した(もちろん演奏活動を続けられていたならば一つの過程となるのですが)音楽の上っ面だけを真似た演奏と感じることがありました。
さてダグ・カーンの本作について。「Arise And Shine」はダグとジーンの二人が思い描く、人間が力強く立ち上がっていく生命力を、全身を込めて演奏している素敵なものです。まさに彼らにとっての、スピリチュアルなのでしょう。
今日の私はスピリチュアルについてやたらと難しく考えているのかも知れません。しかし、ダグとジーンの「Arise And Shine」のように素直に心動かせられる演奏を前にして、ついついそんな事を思ってしましました。
 
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